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東電が賠償和解拒む・・飯舘村裁判外手続き 仲介打ち切り

 東京電力福島第1原発事故で避難を強いられた福島県飯舘村の住民約300人が、賠償増額を求め、原子力損害賠償紛争解決センターに裁判外紛争解決手続き(ADR)を申し立てた件をめぐり、同センターは5月28日付で和解仲介を打ち切りました。東電が和解案を拒んだためです。

  紛争解決センターは、東電が最大で1人100万円の慰謝料を払う和解案を出していました。

 仲介を申し立てていたのは飯舘村の蕨平(わらびだいら)、比曽、前田・八和木(やわき)の3地区の住民。3地区は昨年3月に避難指示が解除されましたが、放射線量が高くて避難が続く、帰還困難区域の長泥地区に隣接しています。

 東電は「総合的に判断した結果、賠償を行うことは難しいと結論を出した」とコメントしています。蕨平、比曽の2地区の住民弁護団の秋山直人弁護士は5月30日、都内で記者会見し、「東電は被害の実態から目を背けている」と批判しました。

 東電は「和解仲介案の尊重」を掲げながら、仲介案を拒む姿勢を強めています。

 4月には、福島県浪江町の住民約1万5000人が申し立てていた和解仲介が、東電の拒否により打ち切られています。

(「しんぶん赤旗」2018年6月1日より転載)