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歴史耐える判断を・・いわき市民訴訟 原告陳述

 福島地裁支部

裁判所までデモ行進する原告団・弁護団=5月30日、福島県いわき市

 国と東京電力を相手に福島第1原発事故による被害の原状回復と損害賠償を求めている「いわき市民訴訟」(伊東達也原告団長)の第29回口頭弁論が5月30日、福島地裁いわき支部(名島亭卓裁判長)で開かれました。裁判長が交代したことから双方の主張の総論を述べる更新弁論を行いました。

 原告側は、伊東団長の意見陳述と弁護団の予見可能性、結果回避可能性、損害論、国の規制権限不行使の違法性などについての陳述をしました。

 伊東団長は、事故直後のいわき市の実相、事故発生から2~3年の実相、その後から現在に至るまでの被害について陳述。「避難者が建てた住宅の土留めのコンクリートに『原発賠償御殿 やりすぎ、仲良くしない』などの落書きが発生していることなど軽視できない事例」が起きていることを述べ「歴史に耐えられる判断を下されることを心から願います」と訴えました。

 被告の国と東電は、これまでは書面を提出するだけで陳述したことにしていましたが、今回はスライドを使い直接弁論をするなど危機感をもった審理に臨んでいます。

(「しんぶん赤旗」2018年5月31日より転載)