放射性物質漏えいに不信・・川内再稼働中止 県民の会要請
鹿児島
原発ゼロをめざす鹿児島県民の会は5月30日、九州電力が定期検査中の川内(せんだい)原発1号機(鹿児島県薩摩川内市)の原子炉をこの日起動し、6月5日に発電を再開することについて、同原発展示館で中止を求める申し入れを行いました。
県民の会の有馬裕子・筆頭代表委員ら7人が、川内原発の米丸賢一次長に、再稼働中止と、安全性に関する質問への回答を求める公開質問状を手渡し、話し合いました。
川内1号機は運転中だった昨年3月から1次冷却水の放射性ヨウ素濃度が上昇。その後も制限値を下回っていたため運転を続け、今年1月から始まった定期検査で1本の核燃料棒から放射性物質が漏れていたことが判明し、問題のあった燃料集合体を交換するなどしました。
有馬氏は、「国民の安心、安全が第一。(放射性ヨウ素漏えいの)原因が特定できないまま運転を続けてきたことにも不信が募る。国民の不安に応えてほしい」と語りました。
日本共産党の、まつざき真琴県議、井上勝博薩摩川内市議が参加しました。
同原発のゲート前では同日夕、「ストップ川内原発! 3・11鹿児島実行委員会」の呼びかけで抗議行動をしました。
1号機は31日に核分裂反応が連鎖する臨界に達する見通し。川内2号機は4月から定期検査に入っており、蒸気発生器の交換などを終え、8月下旬に運転を再開する予定です。
(「しんぶん赤旗」2018年5月31日より転載)
東海第2運転延長に反対・・茨城 東海村元村長が講演
脱原発を掲げている自治体首長とその経験者でつくる「脱原発をめざす首長会議」の村上達也世話人は5月30日、茨城県常陸太田市内で講演し、日本原電東海第2原発(茨城県)の20年運転延長反対を訴えました。
同原発を抱える東海村で16年間村長を務めた村上氏は約180人の聴衆を前に講演。福島第1原発事故にふれ、「多重防護だから大丈夫」と原発建設をすすめてきた国の無謀さを告発し、事故後も原発輸出をねらう安倍政権を批判しました。
村上氏はまた、東日本大震災で津波被害を受けた東海第2原発が過酷事故寸前の事態に陥っていたと述べ、国に廃炉を求めてきた経過を説明。同原発の20年運転延長申請について▽原電は対策工事費1700億円の調達が困難▽難燃電気ケーブルヘの交換は不可能▽原電には損害賠償や除染費の支払い能力はない―などの問題点をあげ、過酷事故が起きたら住民が避難しなければならない理不尽さも浮き彫りにしました。
そのうえで、村上氏は東海村と常陸太田市など周辺5市が原電と結んだ「実質的に事前了解を得る」とした新協定の権限行使や再稼働反対を首長に迫る住民運動の前進を呼びかけました。
(「しんぶん赤旗」2018年5月31日より転載)