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もんじゅ廃炉計画認可・・燃料取り出しに5年 課題多く、危険伴う/規制委

(写真)廃炉計画が認可された日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」=福井県敦賀市

 原子力規制委員会は3月28日、高速聯殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)の廃炉計画を認可しました。運営する日本原子力研究開発機構は7月から、核燃料の取り出し作業に取り掛かる方針。

 計画は廃炉作業を四つの工程に区分し、第1段階の核燃料取り出し作業について、具体的に記載しました。原子炉内などに残る核燃料は2022年12月までの5年で取り出す予定としました。廃炉作業全体は、30年後の年度に終える計画で、建物や機器の解体・撤去など第2段階以降の詳細な工程は、補正申請で今後示す予定。廃炉に掛かる費用は管理費などを含め総額約3750億円と見積もられています。

 政府は16年12月に、もんじゅの廃炉を決定し、原子刀機構が昨年12月に廃炉計画の認可を申請。規則委の監視チームは今月12日、計画を大筋了承していました。

課題多く、危険を伴う

原子力規制委員会は、日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の廃止措置計画(廃炉計画)を認可しました。高速増殖炉の廃炉作業は国内では初めてです。今後30年にわたる廃炉作業が安全に行われるのか。運転資格がないと規制委から指摘された機構が作業を担うことにも、強い懸念の声が少なくありません。

 今回認可された計画で、具体的に示されているのは第1段階の燃料取り出し。これ自体が危険を伴う作業です。

 もんじゅは、炉心と貯蔵槽にMOX燃料(ウラン・プルトニウム混合酸他物)など530体があり、いずれも反応性の高いナトリウムにつかっています。ナトリウムは、水や大気に触れると酸化、発熱します。このため使用済み燃料プールの水中に移すためには、蒸気などで洗浄する工程が必要で、時間もかかり危険も伴います。機構が、これまでに燃料プールまで搬出した燃料は2体しかありません。

 また、2010年には炉心から燃料を交換するための炉内中継装置が落下するトラブルを起こし、復旧に長期間を要しました。

 作業の第2段階以降に行う炉内ナトリウムの抜き取りや機器の解体の具体的な方法、MOX燃料の廃棄物の処理・処分方法等の方針は決まっていません。機構は今後、補正申請で示すとしていますが、いずれも課題を抱えています。

 使用済みMOX燃料について、発熱量や放射線量が高いことから、国内に再処理を行う施設はありません。03年に運転終了となった機構の新型転換炉「ふげん」の場合、使用済みMOX燃料の行き先がなく、施設内から長年搬出できないでいます。先月、海外に持っていく前提の廃炉計画の補正が提出されたばかりです。

(松沼 環)

(しんぶん「赤旗」2018年3月29日より転載)