東京電力福島第1原発の事故から丸7年を前に、現状を上空からチャーター機で取材しました。
同原発周辺には、除染廃棄物が入った袋「フレコンバッグ」があちこちで山積みされています。原発事故で出た放射性物質です。そのすぐそばには、住宅街も。放射線量が高いため帰還困難区域に指定され、住民の姿はありません。農地は、茶色に冬枯れした草木で荒れています。
原発の敷地にひしめくのは、行き場のない放射能汚染水をためた巨大なタンク群。放射性廃棄物を保管するため切り開いた造成地は、赤土がむき出しになっていました。
目に付くのは、3号機原子炉建屋の上部。使用済み燃料プールの核燃料566体を取り出すため、新たに設置されたカバーです。この取り出しは、当初目標の2014年末からたびたび延期。年内に開始される見込みですが、遠隔操作による取り出しであり難航が予想されます。
国と東電は、住民の生活や生業(なりわい)を奪った一方で、柏崎刈羽原発(新潟県)の再稼働へ突き進んでいます。原発再稼働と福島切り捨てに力を注ぐのではなく、被災者の生活、生業の再建と廃炉作業に全力を挙げるべきです。
記事・唐沢俊治
写真・三浦 誠
(「しんぶん赤旗」2018年2月25日より転載)