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福島第1原発の「デブリ」つて?・・溶けて落ちた核燃料

 

Q 東京電力福島第1原発事故で問題となっている「デブリ」つて何ですか? 今月下旬にも内部を再調査するそうですが…。(東京都・男性)

A デブリとは、核燃料のウランのほか、周囲の部品や構造物などが高温になって溶け落ちたものです。それぞれ融点が違うため、場所によって組成、成分が異なり、大きさや硬さなどもさまざまだとみられます。炉心溶融(メルトダウン)を起こした1~3号機の原子炉格納容器内部調査で、デブリとみられる物体が確認されたのは3号機だけです。

 今月下旬にも再調査するのは2号機です。2号機は昨年1~2月、自走式ロボットで調査しました。しかし、ロボットは走行ルート上の堆積物に阻まれました。一方、ロボット投入に先立って、パイプの先端に取り付けたカメラによる調杏では、圧力容器直下を撮影できました。

 画像解析で、圧力容器直下の作業用足場の脱落範囲や、その上にある構造物などの損傷状態が分かり始めました。内部がどうなっているか分からない状況で、ロボットよりもローテク(初歩的技術)による調査が大きな役割を果たしました。

 今回調査では、より長く伸びるよう改良したパイプを使い、先端のカメラを足場の脱落箇所に垂らし入れます。格納容器の底の様子を撮影し、デブリの確認を目指します。

 東電と国は、2021年内に1~3号機のいずれかでデブリの取り出しを開始する目標を掲げています。しかし、作業員の被ばく抑制対策や取り出し技術の開発など、今後も相当な困難が予想されます。

(「しんぶん赤旗」2018年1月7日より転載)