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柏崎刈羽が「適合」・・規制委 福島事故の検証ないまま

(写真)東京電力柏崎刈羽原発=新潟県

 原子力規制委員会は12月27日、東京電力柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)が新規制基準に適合したとする審査書を決定しました。規制委が“合格”を出した原発は、7原発14基となりました。事故を起こした福島第1原発と同じ沸騰水型としても東電としても初めての判断。事故を起こした東電に原発の事業者としての「適格性」を認めて再稼働を容認する判断に、会合の傍聴者からは「適格性なし」「審査をやり直せ」などの声が上がりました。

 再稼働には地元の同意が必要。しかし、新潟県の米山隆一知事は同日の会見で「福島第1原発事故の検証がなされない限り、再稼働の議論は始められない」と強調し、従来の姿勢を堅持しました。

 規制委は、10月5日から審査書案について30日間の意見募集を実施。904件の意見が寄せられ、半数近くが、東電の「適格性」の問題で、「隠ぺい体質の東電に電力事業は任せられない」「精神論で技術的能力を判断していることに納得できない」「適格性に被災者賠償の項目も設けるべきだ」などの意見がありました。

 規制委は、東電から「安全性をおろそかにしない」とする文書が提出され、所管する経済産業相からも、その文書方針などに「異論がない」との回答を得たとして、適格性を容認しました。

 規制委の更田豊志委員長は会見で、東電の文書を運転手順などを定めた保安規定に位置づけたとしても、東電の取り組みを評価できるかには「限界がある」と認めました。

(「しんぶん赤旗」2017年12月28日より転載)