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三菱マ 新たなデータ改ざん・・不正品出荷310社に & 品質管理不正で経団連が説明会・・21日に会員企業向け

 

 

三菱マ 新たなデータ改ざん・・不正品出荷310社に

データ改さんの新たな事案が判明し、記者会見の冒頭に陳謝する(右から)三菱電線工業の高柳喜弘社長、三菱マテリアルの竹内章社長ら=12月19日、東京都千代田区

 非鉄金属大手、三菱マテリアルは12月19日、子会社である三菱電線工業(東京都)が製品性能データを改ざんしていた新たな事案と、同社が検査を一部実施せずにシール材を出荷していたことを発表しました。11月24日に発表した不正製品の出荷先は274社でしたが、今回の不正によって計310社に増加しました。

 新たに改ざんが判明したのは電子製品のバッテリーなどに使われる銅線製品「平角マグネットワイヤ」。寸法などのデータを改ざんし、顧客の要望や社内基準に満たない製品を出荷していたといいます。12日に報告を受けて社内調査した結果、明らかになりました。2016年12月1日から17年11月30日の間に5社に出荷。安全性は確認しているとしています。

 検査を実施しなかったシール材の出荷先は15年4月1日から17年9月30日の間に約230社に上りました。シール材は自動車や航空機、原発などに使用されています。検査未実施だった製品の用途は「確認中」(広報担当者)としています。

 不正行為の原因について、三菱マテの竹内章社長は「外部調査委員会の報告を待ちたい」と明言を避けました。また「本社が不正に関与していないとの見解は変わらない」と語りました。

 三菱マテは11月24日に、三菱電線、三菱伸銅、三菱アルミニウムの子会社3社で検査データの改ざんを発表。外部調査委員会を設置し、年内に調査報告書をまとめるとしています。

三菱マテ会見要旨

 三菱マテリアルが19日行った記者会見の要旨は次の通り。

  【不正の内容】子会社の三菱電線工業で、新たな製品性能データ改ざんや未検査のまま製品を出荷していたことが判明。また、最近2年間の不正行為について書面調査を実施した結果、工程の変更手続きの通知不備など11件が報告された。

 【経営責任】本社が不正に関与していないとの見解は変わらない。速やかな原因究明、再発防止が現時点での社長の責任と使命。

 【今後の対応】調査は三菱伸銅は今月末、三菱電線は来年1月以降に終了予定。本社の特別調査委員会ではグループ全体の品質管理体制について報告する。

(「しんぶん赤旗」2017年12月20日より転載)


品質管理不正で経団連が説明会・・21日に会員企業向け

 経団連は12月19日、大手素材メーカーや自動車メーカーで品質管理に関する不祥事が相次ぎ発覚したことを受け、21日に会員企業向けの説明会を開催すると発表しました。経済産業省や国土交通省の担当者も参加します。法令や契約の順守徹底を求めるほか、不正・再発防止策について意見交換します。

 品質管理をめぐる問題では10月以降、神戸製鋼所、三菱マテリアル、榊原定征経団連会長の出身会社である東レでデータ改ざんが発覚。9月と10月にはそれぞれ、日産自動車とSUBARU(スバル)が無資格の従業員に新車の完成検査を行わせていたことが明らかになりました。

 経団連は一連の問題について、日本の製造業の信用失墜につながりかねない事態と見ています。4日には約1500の会員企業・団体に対して、品質管理に関する不正や不適切な行為がないかどうかを調査するよう求めました。

(「しんぶん赤旗」2017年12月20日より転載)