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北海道 超巨大地震予測・・千島海溝 30年以内、最大確率40%/長期評価公表

 

 政府の地震調査委員会は12月19日、北海道・十勝沖から択捉島沖に至る千島海溝沿いの海溝型地震の長期評価(第3版)と四国の活断層では初めての長期評価を公表しました。

 千島海溝沿いの海溝型地震では、日本海溝沿いで東日本大震災の超巨大地震(マグニチュード=M9・O)が起きたことを踏まえ、M8・8以上の地震が今後30年以内に発生する確率は7~40%と評価。17世紀の前回地震から400年程度経過しており、「切迫性が高い」としています。

 平田直委員長(東京大学教授)は「千島海溝沿いでも東日本大震災のような大きな地震や津波が起きる可能性が高い。十分注意してほしい」と話しています。改訂は13年ぶり。

 17世紀の地震は1611~37年の間に十勝・根室沖のプレート境界が大きく滑って起き、津波が現在の海岸線から1~4キロ内陸まで押し寄せたとされます。津波の堆積物から、超巨大地震は過去6500年間に最大18回発生し、平均間隔は340~380年と推定しました。

 千島海溝沿いを3分割した場合、十勝沖は2003年の前回地震から間もないため、M8・0~8・6程度の巨大地震が30年以内に発生する確率は7%とされました。一方、根室沖ではM7・8~8・5程度の地震が70%程度、色丹島・択捉島沖はM7・7~8・5前後の地震が60%程度とされました。

 東日本大震災では、日本海溝沿いの三陸沖北部のプレート境界が滑っておらず、大きな余震になる恐れがあります。隣接する十勝沖などのプレート境界も連動して地震が大きくなる可能性がありますが、過去に連動した痕跡が見つかっておらず、規模や確率は評価できなかったとしています。

M6・8以上、最大15% 四国の活断層地震、30年以内

 四国の活断層では、国内最大の「中央構造線断層帯」など5活断層が対象で、マグニチュード(M)6・8以上の地震が今後30年以内に発生する確率を9~15%と評価。30年確率はS(3%以上)、A(0・1~3%)、Z(0・1%未満)の3段階で最も高いSです。

 中央構造線断層帯は大分県まで延びていると判断し、地震が起きた場合は最大でM8・0以上としました。長期評価と併せて公表した予測震度分布図では、活断層に近い地域で震度6強や7になる場合があります。

 平田委員長は「M7級地震が浅い所で起きれば大きな被害が生じる。十分に防災対策を取ってほしい」と話しています。M8~9地震が30年以内に70%程度とされる南海トラフ地震で活断層地震が誘発される可能性にも注意が必要といいます。

中央構造線断層帯全区間同時活動時の予測震度分布

 中央構造線断層帯は、奈良県香芝市から大分県由布市まで長さ444キロとされ、全体を10区間に分けて評価。想定地震が大きいのは徳島県西部・愛媛県東部の「讃岐山脈南縁西部」と「伊予灘」のM8・0以上で、全区間が同時に活動した・場合もM8・0以上とされました。30年確率が最も高いのは愛媛県中部の「石鎚山脈北縁西部」のS(M7・5程度)でした。

 香川県の「長尾断層帯」はM7・3程度と想定され、30年確率はZ。同県の「上法軍寺断層」と徳島県の「上浦-西月ノ宮断層」、徳島・高知両県境の「綱附森断層」はいずれもM6・8で、30年確率は不明とされました。

 中央構造線断層帯の延長に伴い、大分県の「別府-万年山断層帯」は3分割されました。中央構造線断層帯の延長部以外では。「日出生断層帯」がM7・5程度、「万年山-朋平山断層帯」がM7・3程度で、30年確率はいずれもZとされました。

(「しんぶん赤旗」2017年12月20日より転載)