三菱マテリアル子会社の品質データ改ざん問題で、関西電力の大飯原発3、4号機(福井県)と高浜原発3、4号機(同)の原子炉に、改ざんの可能性がある製品が使われていることが12月20日、原子力規制委員会への取材で分かりました。
関電から報告を受けた規制委によると、改ざんの可能性があるのはパイプの水漏れなどを防ぐゴム製品(シール材)で、三菱電線工業(東京都)が製造しました。同社は先月、シール材の強度や寸法などの検査データを改ざんしていたことを発表しています。
関電はその後、運転中の高浜原発3、4号機と、来年3月以降の再稼働を予定している大飯原発3、4号機を調査し、規制委に報告しました。
報告書で関電は、不正があった三菱電線工業の箕島製作所を15年間さかのぼって調査した結果、大飯原発では電気ケーブルが原子炉格納容器を貫通する部分(82力所)などに使用され、高浜原発でも原子炉の冷却水を送るポンプなどで使われていました。
関電は、使用中の製品で実際に改ざんがあったかどうかは特定できないと報告。問題の製品が消耗品であり、定期的な取り換えなどをしており、安全性に影響はないと判断したといいます。
(「しんぶん赤旗」2017年12月21日より転載)