福島第1 温度計事故当初から故障3号機圧力容器底 ロボット調査で判明
東京電力は11月30日、福島第1原発3号機原子炉圧力容器の底部にある3個の温度計と、その近くの9個の温度計、合計12個が事故当初から故障していたと発表しました。デブリ(溶け落ちた核燃料)の状況が詳しく分からない中で、原子炉を監視するための重要な装置の故障が事故から6年以上が過ぎてから判明したことは重大です。
東電によると、今年7月の原子炉格納容器内部調査で水中ロボットが撮影した映像を分析したところ、外部につながる温度計のケーブルが切断していることが判明しました。東電は、事故当初に圧力容器から落下した高温の溶融物が、ケーブルを溶かしたとみています。
温度検出器につながっていたケーブルは、格納容器内の圧力容器を支える台座の内側で切れていましたが、台座の外側に設置されていた別の装置の信号を圧力容器底部の温度として誤って計測していたとみています。
圧力容器底部には、今回故障が確認された温度計とは別のケーブルにつながっている6個の温度計があり、東電は健全に機能していると判断しています。東電は、原子炉注水が継続され、その他の監視装置にも異常がないとして、原子炉は安定的に冷却できていると説明しています。
(しんぶん赤旗)2017年12月2日より転載)
制御棒の部品が落下・・圧力容器の底に複数の穴か
東京電力は11月30日、福島第1原発3号機で今年7月に実施した原子炉格納容器内部の水中ロボット調査の画像を分析した結果を発表しました。もともと原子炉圧力容器の中に設置されていた制御棒を収納している筒状の部品が、圧力容器の底から下に抜け出している様子が新たに判明しました。
圧力容器の底の広い範囲に損傷箇所がある可能性も高まりました。これまでの分析では、制御棒を動かす装置がゆがんでいることから、中心部が損傷していることが分かっていました。
今回、水中ロボットのカメラから圧力容器の底を見上げて撮影した画像で、水面が揺らぐのが広い範囲で確認されました。東電は、圧力容器の底の複数箇所に穴が開いていることを示しているとみています。
また東電は、2号機で溶け落ちた核燃料(デブリ)の確認を目指し、格納容器内部の再調査を来年1月下旬にも実施すると発表しました。ロボットは使わず、先端にカメラを取り付けたパイプを用います。
(しんぶん赤旗)2017年12月2日より転載)