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規制委の原発審査状況は・・規制委の定例会合で報告

 原発の新規制基準への適合性審査を原子力規制委員会に申請した16原発26基のうち、再稼働の前提となる審査書案を規制委が了承したのは柏崎刈羽原発を含めて7原発14基になります。審査状況は規制委の定例会合で定期的に報告されています。(2017年)11月22日は、6月以来の変化が報告されました。

振り出しに戻る・・泊原発

北海道電力の泊原発(北海道)

 「振り出しに戻った」と指摘されたのが北海道電力の泊原発(北海道)の地震に関する審査です。

 今月(11月)10日の審査会合で、北海道電がこれまで活断層を否定していた原発敷地内の断層について追加調査を中間報告したところ、根拠としていた火山灰層が見つからないというのです。

 北海道電はこれまで敷地内の断層がのびる地層の上部にある火山灰層について、1980年代の調査時に約22万年前との年代測定値を得ていると説明。断層が活動したのはそれ以前であり、規制委が12万〜13万年前以降に活動したと定義する活断層には当たらないとしていました。

 北海道電が追加調査したのは3月の審査会合で規制委から求められたからです。規制委から、22万年前とする火山灰の年代測定値について、「試料数が足りない」「精度が不十分」などと指摘され、補強する火山灰調査が必要とされました。

 今回の追加調査は敷地内外の6カ所を掘削し、地表に現れた露頭を観察。しかし、火山灰層が見つかりませんでした。

 規制委は、北海道電の従来の説明方針に「支障が生じている」と指摘し、耐震設計の目安となる基準地震動(想定される地震の揺れ)の議論ができない、審査を進められないとしました。これに対し、北海道電は今月中に「総合的に説明したい」としています。

 泊原発は2013年7月に審査を申請。基準地震動は15年末に「おおむね妥当な検討がされた」と了承されていました。

工事費調達に難・・東海第2

日本原子力発電の東海第2原発(左)と廃炉作業中の東海第1原発(右)=茨城県

 来年(2018年)11月に運転期限の40年を迎え、さらに20年の運転延長を24日に申請した日本原子力発電(原電)の老朽原発、東海第2原発(茨城県)。技術的審査は「おおむね審査済み」とされたものの、委員から「原電の経理的基礎をどう判断するのか」と質問がありました。

 原子炉等規制法では、原子炉設置者には「必要な技術的能力および経理的基礎があること」とされています。規制委は14日、再稼働に必要な工事にかかる約1800億円の確保策を原電にただしました。審査会合で議論されるのは異例です。

 原電が原発専業の卸電気事業者だからです。

 原電は会合で「自己資金と借入金で安定的に確保していく」と説明しましたが、規制委は「(原電は)震災後、原発が止まっている状態。誰が債務保証の立場に立つのかなど、債務保証の枠組みをしっかり確認したい」と指摘し、次回以降に回答するよう求めました。

 原電は先月、工事の費用が当初見通しの780億円から2倍以上の約1800億円に増えることを明らかにしています。審査の過程で指摘された、防潮堤の液状化対策での地盤改良や電気ケーブルの難燃化などで費用が膨らんだためです。

 原電が保有する原発4基のうち東海原発(茨城県)と敦賀原発1号機(福井県)はすでに廃炉作業中です。

 一方、原子炉建屋直下に活断層が走っている可能性が指摘され、審査が止まっている敦賀原発2号機(同)について規制委は、原電の検討結果がまとめられつつあり、審査に入ると報告しました。

 東京電力伯崎刈羽原発6、7号機(新潟県)は、基準に「適合した」とする審査書案が先月了承された後、1カ月間の意見募集が終わり、規制委が意見の対応中といいます。

点検に不備 中断・・六ケ所再処理工場

日本原燃の六ケ所再処理工場(青森県)

 核燃料施設の審査状況では、日本原燃の六ケ所再処理工場(青森県)の審査が一通り終えていました。しかし、8月に建屋内への雨水流入などが見つかり、規制委は、必要な巡視点検を行わなかったとして保安規定違反に当たると指摘。これを受けて原燃は先月11日、設備の保守管理体制が整備されるまで審査を中断すると表明しました。

 原燃は再処理工場について18年度上半期の完成をめざすとしていましたが、会見で「厳しい」と説明しています。同工場は1993年に着工し、当初は97年の完成を予定していましたが、すでに23回延期してきました。

(「しんぶん赤旗」2017年11月27日より転載)