東大でセミナー
東京電力福島第1原発の廃炉作業をめぐり、原子カコンサルタントで原発メーカー技術者だった佐藤暁氏(59)を講師にしたセミナーが11月21日、東京都文京区の東京大学で開かれました。東京大学教職員組合などが開きました。約40人が参加しました。
今後の課題として佐藤氏は、放射線量が高い現場は被ばく限度までの期間が短くなり、作業員の頻繁な入れ替えが必要になると指摘。「他の原発の再稼働か進むことで、労働者の確保がますます難しくなる」と述べました。
1~4号機の周囲の地盤を凍らせる凍土壁(陸側遮氷壁)については、遮水効果が十分表れていないとして、「恒久的な不透水性遮氷壁の構築」の必要性を示しました。
溶け落ちた核燃料(デブリ)をはじめ、汚染された土壌を含め廃炉作業で生じる放射性廃棄物を回収し密封して搬出するのは「気の遠くなる作業だ」と指摘。国と東電が目指す40年の廃炉工程を「到達できないゴール」に例えました。
処理装置で除去できない高濃度のトリチウム(3重水素)汚染水をタンクにため続けている現状について、希釈して海洋放出する選択肢などがいわれるなか、最善策というよりも“最悪でない”方法を探らざるをえないと述べました。
(「しんぶん赤旗」2017年11月22日より転載)