環境省は10月28日、東京電力福島第1原発事故に伴う除染で生じた土や廃棄物を保管する中間貯蔵施設(福島県大熊町、双葉町)で、除染土の貯蔵を開始しました。
この日稼働したのは、放射性セシウムの濃度に応じて分別した除染土を保管する「土壌貯蔵施設」。大熊町内の仮置き場にあった36立方メートルを搬入しました。
土壌貯蔵施設では、臨染土を運び込む穴の底面に遮水シートを敷き、地下水汚染を防止。雨水などは水処理施設で放射性物質を除去した上で河川に流します。除染土の搬入にもカバー付きベルトコンベヤーを使い、周辺への飛散を防ぐとしています。
中間貯蔵施設は総面積約1600ヘクタール。今後、除染土から取り除いた草木を焼却する施設や、放射性セシウム濃度の高い焼却灰などを保管する施設の建設を進める計画。最大約2200万立方メートル(東京ドーム約18個分)の土と廃棄物が保管される見込みですが、用地取得率は9月末時点で39%。また、除染土は30年以内に県外で最終処分する計画ですが、処分場のめどは立っていません。
(「しんぶん赤旗」2017年10月30日より転載)