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使用済み核燃料120トン増・・安倍政権下の再稼働で & 大飯原発1・2号機廃炉検討・・関電 延長申請の準備も

使用済み核燃料120トン増・・安倍政権下の再稼働で

 2012年12月の安倍政権発足後に、停止中だった原発が再稼働したことで、使用済み核燃料が計約120トン増えたことが10月18日、電力各社などへの取材で分かりました。再稼働する原発は増え続けていますが、使用済み燃料から出る高レベル放射性廃棄物の処分場所は決まっていません。

 原発では通常、原子炉に入っている核燃料の3分の1~4分の1程度を再稼働前の検査のたびに使用済みとして取り換えています。

 12年12月以降に再稼働したのは九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)と関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)、四国電力伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の計5基。このうち、川内1、2号機で約40トン、高浜3、4号機で約60トン、伊方3号機で約20トンが使用済みとして新燃料と交換になりました。

 このほか、九州電力玄海原発3、4号機(佐賀県玄海町)と関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)が再稼働の前提となる原子力規制委員会の審査を終えており、18年にも運転を始めようとしています。運転開始から40年を超えて老朽化が指摘されている関電美浜原発3号機(福井県美浜町)と同高浜1、2号機も19年から20年にかけて順次再稼働するとしています。

 これらの原発が動くと、使用済み燃料の量はさらに膨らみます。電気事業連合会の資料によると、今年6月末時点で全国の原発にある使用済み燃料の総量は1万4870トン。事実上の保管容量上限値の7割を超えています。

(「しんぶん赤旗」2017年10月19日より転載)


大飯原発1・2号機廃炉検討・・関電 延長申請の準備も

関西電力大飯原発。右から1、2、3、4号機=福井県おおい町

 関西電力が2019年に40年の運転期限を迎える大飯原発1、2号機(福井県おおい町)の廃炉を検討していることが10月17日、分かりました。関電は2基の発電能力は高く効率が良いとして、運転期間の延長許可を国に申請する方針を示していました。しかし、原子炉格納容器が特殊なタイプで、安全対策工事のコストが膨らみ採算が合わない恐れがあるため、方針を転換するか年内にも判断するとしています。

 大飯1、2号機の出力は、いずれも117・5万キロワット。廃炉が決定すれば、出力100万器を超える大型の原発では、東京電力福島第1原発を除き初めて。

 11年の東日本大震災の後、国は原発の運転期間を原則40年と定めました。原子力規制委員会が認めれば、最長20年延長できます。

 大飯1号機は1979年3月、2号機は同年12月に運転を開始しました。運転を延長するには、40年の期限の1年前に当たる18年までに国に申請する必要があります。

 ただ大飯1、2号機は、事故の際に発生する蒸気を氷で冷却して圧力を下げる特殊な方式を採用。国内に同じタイプの原発はないため、他の原発とは異なる安全対策工事を迫られ、費用がかさむのは必至だといいます。

 関電は17日、廃炉の方針を固めた事実はないとして、「現在、原子炉設置変更許可申請の準備を行っており、技術面、安全面での検討を行っている」とのコメントを発表しました。

(「しんぶん赤旗」2017年10月19日より転載)