原子力規制委員会は10月18日、事故を起こした東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型原発などに対して、格納容器の破損を防止するための新たな装置の設置などを求める規制基準の改定案を了承しました。19日から30日間の意見募集が行われます。
沸騰水型原発の格納容器は、加圧水型と比べると著しく小さいため、炉心が溶融すると圧力上昇が早く、加圧により破損する危険性が高いといわれています。このため、新規制基準では、沸騰水型原発には炉内の放射性物質をこし取りながら圧力を大気に逃すフィルター付きベント(排気)の設置が義務付けられています。
しかし、フィルターを通しても、こし取れない放射性物質も多くあります。
今回の改定案では、沸騰水型原発の格納容器内に圧力抑制のために蓄えられている水を熱交換器で冷却し、格納容器や原子炉内に戻す装置(格納容器代替循環冷却系)を設置し、ベントに優先して使用することを求めています。
格納容器代替循環冷却系は、東電柏崎刈羽原発6、7号機の審査で東電が提案した手法です。
また、加圧水型でも恪納容器が極端に小さく、事故時に氷で冷却するアイスコンデンサー型の原発に対し、フィルター付きベント設置の義務付けを明確にしました。アイスコンデンサー型は、日本では関西電力大飯原発1、2号機(福井県)があります。
(「しんぶん赤旗」2017年10月19日より転載)