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日本原燃 再処理工場の審査中断・・雨水流入 保安規定に違反

 六ケ所再処理工場(青森県)で建屋内への雨水流入などが見つかり、保安規定違反が指摘されたことを受け、日本原燃の工藤健二社長は10月11日、審査が終盤を迎えていた同再処理工場の変更申請の補正の提出を当面先送りし、審査を中断すると原子力規制委員会の定例会合で表明しました。

 原燃の再処理工場では、8月に非常用電源がある建屋の地下に、O・8トンの雨水が流入しました。配管を収める「配管ピット」内に、点検口のパッキンの劣化によって雨水たまり、その水が貫通部から建屋に流入したもの。「配管ピット」は2003年の設置以降、点検していなかったことも明らかになりました。

 北陸電力志賀原発2号機(石川県)で昨年起きた雨水流入を受けて、規制委が求めた報告に、原燃は現場確認もせずに問題なしと報告していました。

 また、中国電力島根原発2号機(島根県)で中央制御室の空調ダクトの腐食が見つかったことを受けた点検では、ウラン濃縮工場で天井裏の排気ダクトが腐食し複数の穴が開いていることが8月に判明しました。このダクトの点検も1992年の操業開始以降、行われていませんでした。さらに5月に許可された同工場の変更申請書のダクトに関する記載内容が、現状と異なることも判明しました。

 規制委では雨水の流入の問題などは、必要な巡視点検を長期にわたり行わなかったことから保安規定違反に当たるとしています。

 原燃は、設備全体の点検未実施施設の洗い出しや点検の実施を進めるとしています。

 日本原燃は再処理工場について、2018年度上半期の完成を目指していました。工藤社長は9月29日の記者会見で「(予定通りの完成は)厳しいと認識している」と説明。同工場は1993年に着工し、当初は97年の完成を予定していました。

(「しんぶん赤旗」2017年10月12日より転載)