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茨城・作業員内部被ばく事故・・原子力機構が最終報告 & 東電福島第1原発 この1週間

茨城・作業員内部被ばく事故・・原子力機構が最終報告

 日本原子力研究開発機構の大洗研究開発センター(茨城県大洗町)で6月、放射性物質の点検中に作業員5人が内部被はくした事故で、原子力機構は9月29日、最終報告書を原子力規制委員会に提出しました。「安定状態で」保管していると思い込み、詳細な作業計画書を策定していなかった」として、保管基準の改善や、作業計画策定時のリスク考慮などを盛り込みました。

 事故は6月、同センターの燃料研究棟で放射性物質の点検中に起きました。実験に使ったプルトニウム酸化物を樹脂で固めてビニール袋で密封していましたが、長期間保存するうちに樹脂が放射線で分解されガスが発生。点検時に袋が破裂して放射性物質が飛び散り、作業員5人が内部被ばくしました。

 原子力機構は、過去の点検時に袋の膨張が確認されていたのに情報が引き継がれなかったことや、内規にあった「放射線分解による内圧上昇に注意すべきだ」との記載を考慮しなかったことなどを問題点として指摘。放射性物質の長期保管に伴う記録管理を徹底する  ことや、点検などの作業計画策定の際には、リスクを十分に考慮するなどの再発防止策を定めました。

(「しんぶん赤旗」2017年10月1日より転載)


東電福島第1原発 この1週間

■9月24日 処理途中の放射能汚染水をためているタンクで、水位の低下を示す警報が発生。汚染水の漏えいはありませんでしたが、作業をしていないにもかかわらずタンクの水位計の指示値が変動していたことが判明。東京電力は、水位計の不具合の可能性があるとみて原因を調べています。

■26日 国が廃炉作業の工程表「中長期ロードマップ」を改定。1、2号機使用済み燃料プールの核燃料取り出しの開始時期を従来の計画より3年遅らせ2023年度をめどとしました。放射能汚染水発生量を20年内に1日当たり約150トン程度まで抑制する目標などを盛り込みました。

■28日 1~4号機周囲に4~8月にかけ新設した地下水くみ上げ用の6つの荘戸の水位計の設定に誤りが判明。建屋地下にたまっている高濃度の放射能汚染水の水位より、井戸の水位が低い可能性があるとして、東電は運転上の制限を逸脱した状態だと判断。6つのうち、1号機の建屋近くにある井戸の水位が今年5月17~21日に少なくとも8回、最大で19ミリ、建屋地下の汚染水の水位より低くなる逆転状態が生じていました。

■同日 3号機で溶け落ちた核燃料(デブリ)の位置の把握に向けて、宇宙線を利用して内部を透視した結果を東電が発表。圧力容器の中心部には、事故前に核燃料や制御棒などが約200トンありましたが、今回の調査で約30トンに減少したことが判明。圧力容器底部の物質量は約35トンから約90トンに増えており、デブリがたまっている可能性があります。

(「しんぶん赤旗」2017年10月1日より転載)