東京電力福島第1原発事故などをテーマにした作品を展示した「~日本と世界の現代美術~AJAC(アジャック)展」が、10月5日まで東京都美術館(台東区上野)で開かれています。
AJACは1975年に創設された現代美術の作家組織。国籍、人種、民族、性別等を問わず自由な表現が基本。80人150点以上の新作発表に加え特別企画展もあります。
特別陳列作家でAJAC代表の深谷滉(78)さん=福島県須賀川市=は、生活の中で感じる不安や怒りなどを線・面・色で描いた抽象絵画「黒い流れ」シリーズ18点を出品しています。
「3・11」の東京電力福島第1原発事故を忘れてほしくないと、3・1センチ四方のミニ絵画や、大作では「原発NO」の文字、身近な生活を表す草刈機の刃や現代の象徴、車の塗料を使いリアリティを出しています。
福島原発生業(なりわい)訴訟にも加わる深谷さんは「政治は直せても原発は直せない。ずっと見守り発信していく。安倍政権は平和憲法を踏みにじる『黒い流れ』がはっきりしてきた。政治家は憲法を守ってほしい。憲法に則り国民の願いをかなえる政治家に期待します」と話します。
(「しんぶん赤旗」2017年10月1日より転載)