東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から9月11日で6年半となるなか、7日から福島県で被災自治体や住民の要望を聞いている日本共産党国会議員団の高橋千鶴子、塩川鉄也、藤野保史の各衆院議員と岩渕友、山添拓の両参院議員は8日、浪江町を訪問しました。
全町避難を強いられた浪江町は、3月末に帰還困難区域(面積で約80%、原発事故前は町民の約17%が居住)を除き、避難指示が解除されました。現在、帰還した住民は286人で、事故前の2万1千人の1・3%。交通、買い物、医療、教育の環境整備が課題です。
一行は町担当者の案内で町を回りました。建設中の災害公営住宅、雑草で覆われた田んぼ、各所にあるフェンスで囲まれたがれきの仮置き場、JR浪江駅前で取り壊し中の住宅―。
馬場有(たもつ)町長は自らの生活にも触れ、「若い人が町に戻れるようにするのが私たちの使命」と強調。▽原発事故で15億円減った町民税の穴を埋めていた国の交付税が、事故から10年で打ち切られる恐れがある▽固定資産税徴収を再開するよう国が町に求めている▽精神的賠償が2018年3月末で打ち切られる方向であることなどを説明。「原発事故で仕事もコミュニティーも奪われた。国はその原因をつくったのがだれか、忘れているのではないか」と批判しました。
また馬場氏は、帰還困難区域の復興拠点について、歴史と文化を生かして合併前の町村を基礎に全体に広げたいと述べました。
高橋議員は「苦労されている町長の思いが心に響きました。私たちも被災者のみなさんを支えられるように頑張りたい」と述べました。
一行は帰還した住民の憩いの場となっている佐藤種苗店を訪れ、浪江町行政区区長会の佐藤秀三会長とも懇談しました。
ふなやま由美衆院東北比例予定候補、熊谷智衆院福島5区予定候補が同行しました。
(「しんぶん赤旗」2017年9月9日より転載)