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自分たちで太陽光発電“建物の屋上を使って”原発事故受け新たな運動・・川崎の市民団体 秋には3号機

海の見える、うしおだ診療所屋上の3号機設置予定場所(横浜)

 「原発ゼロ、再生可能エネルギーの普及を」とマンションなどの屋上を活用して太陽光発電をすすめている市民団体があります。1号機、2号機に続いて、この秋には3号機が誕生します。川崎市の市民グループの取り組みを追いました。(徳永慎二)

 この団体はNPO法人原発ゼロ市民共同かわさき発電所(理事長・川岸卓哉弁護士)。2014年3月に結成されました。「原発反対運動にとどまらない、新しい開拓をしたいという思いから、この法人をスタートさせました」と川岸さん。仲間と学習会を重ね、ドイツの現状も視察し、結論は「自分たちで発電所をつくろう」でした。

 命に直結を実感

 15年1月に1号機、同8月に2号機が完成。建設資金は1口10万円の市民からの協力金です。売電利益は協力してくれた市民に還元します。

 今年に入って3号機建設が決まりました。海の見える、うしおだ診療所(横浜市鶴見区)の屋上にパネル48枚を設置します。場所を提供したのは横浜勤労者福祉協会。民医連加盟の同診療所や総合病院などを運営しています。佐藤真琴事務局長は「私たちは、これまでも被爆者医療や原爆症認定集団訴訟支援にとりくんできました。原水爆禁止世界大会にも職員を送り出してきました。“原発でなく自然エネルギーを”という運動も方向性は同じだと、お引き受けしました」。

 3・11の大震災・原発事故で病院に「計画停電」を押し付けられたとき、電力の確保に「大変な思い」をしました。

 エネルギー問題は“命を守る”ことに直結していることを痛感しましたね」。7月には3号機建設決定記念の集いが開かれました。

秋元さん
田辺さん
川岸さん

 協力者「喜んで」

 1号機は川崎市中原区の3階建てマンションの屋上。ソーラーパネル100枚が並んでいます。遠くに高層ビル。提供したマンションオーナーの田辺勝義さん(67)がいいます。「3・11前から原発は危険だと、原発ゼロの運動をすすめてきた。実際に事故が起きてその通りだと思った。そんなとき、原発のない自然エネルギー中心の社会をつくろうという若い人たちに接し、喜んで提供した」と振り返ります。

 2号機は、同市高津区の「自立と共生」をめざす「グループリビングCOCOせせらぎ」の屋上。目の前にはカルガモの泳ぐ清流。静かな住宅地です。オーナーの秋元サチ子さん(75)は、被爆者訴訟を傍聴し、長年にわたって被爆者を支援してきました。福島原発事故では、真っ先に現場にボランティアとして駆け付けました。「発電所設置の相談があったとき、即答しましたよ。東電に義憤を感じていましたから」

パネル100枚の1号機設置場所(川崎市

 原発反対と両輪

 法人結成から3年余。川岸さんは「原発に反対する運動と車の両輪として、思いつく限りのことを着実にやってきました。運動の新しい切り口やつながりも広がった」といいます。

 その一つが政策提言。川崎市再生可能エネルギー条例案などを提案しています。もう一つは、多くの市民にとりくみを知ってもらおうと開いた「おひさまフェス×星空上映会inかわさき」(15年)です。今年は9月16日に、共同発電の電気を使った野外上映会と音楽イベントの「おひさまフェス」を多摩川で開きます。

 再生可能エネルギーを広げる活動を応援するパワーシフト事務局/FoE 

「COCOせせらぎ」の屋上に設置された2号機(川崎市)

Japanの吉田明子さんは話します。「市民共同の発電所が、都市部で屋上を活用して自然于エネルギーを生み出しているのは、すばらしいです。メガソーラー建設のために山林を削って災害や自然破壊が心配されるケースが出ているだけに、意義ある活動だと思います。原発ゼロにこだわっているのもいいですね」

 

計画停電

 東日本大震災による電力供給不足に対処するため、東京電力が2011年3月14日から実施しました。地域を分け、それぞれ時間をずらして停電を実施するやり方。しかし、発表が突然で、周知も不十分なため、通勤・通学、病院、学校などに大きな混乱をもたらしました。病院に自家発電があるのかどうかの実態も把握されないなど計画停電とは名ばかりのやり方が強い批判を受けました。

(「しんぶん赤旗」2017年8月29日より転載)