中米コスタリカは発電量に占める再生エネルギーの割合が過去30年間で最高の99・5%に達したことを明らかにしました。同国の国営企業「コスタリカ電力機関(ICE)」が今年1月から8月25日までのデータをもとに報道向け声明を発表。メディアが26日に報じました。(菅原啓)
熱帯雨林など豊かな自然を持つコスタリカは水力発電など再生可能エネルギー活用の先進国といわれています。報道によれば、地熱発電でも米国、メキシコに次いで米州で第3位の発電量となっています。
ICEのルイス・パチェコ総裁はメディアに対して、30年前の1987年には再生エネルギーといえば水力しかなかったが、その後の風力や地熱などの利用が進み、重油などを使用した火力発電の割合は全体の0・5%まで低下させることができたと説明しました。
パチェコ氏は、水力・風力・地熱に加えて、バイオマスと太陽光による発電量を増やしていく考えを明らかにしました。
持続可能な開発を目的としたコスタリカの財団の創設者でもあるフィゲレス元大統領は19日、隣国パナマで開かれた気候変動問題の会合で自国の取り組みを紹介しました。
現地紙の報道によると、フィゲレス氏は、「気候変動は経済転換のチャンス、わずかの二酸化炭素しか排出せずに、地球に対する温暖化の影響を軽減する経済への転換に向かうチャンスだ」と指摘。再生エネルギーの活用が新たなビジネスを生み、雇用拡大にもつながると力説しました。
(「しんぶん赤旗」2017年8月29日より転載)