原発作業員と交流・・楢葉町で浜通り復興のつどい
福島
東京電力がおこした福島第1原発過酷事故から6年4ヵ月、原発立地の双葉郡楢葉(ならは)町で7月23日、第1回浜通り復興のつどいが開かれました。つどいは、廃炉・除染で働く作業員と戻ってきた地域住民が楽しいひとときを過ごそうと実行委員会が企画しました。
実行委員会を代表して、浜通り医療生活協同組合理事長の矢吹道徳さんが開会あいさつ。震災から6年余だが、宮城、岩手と違って震災・原発事故関連死が2154人にのぼるなど浜通りの現状は復興が途上にあると強調。今後も復興には長い時開が必要で、とくに被ばくを伴う過酷な廃炉労働があり、作業員と交流・連帯する試みの第一歩にしたいと語りました。
会場は楢葉町コミュニティセンター。2階日本間では楢葉町の「華鶴会」の日本舞踊、「うしお会」の和太鼓、富岡町の「小浜風童太鼓」の和太鼓などが披露され、掛け声や手拍子も飛び出しました。
1階では、原発被害のいわき市民訴訟などをすすめる広田次男弁護士らによる労働・法律・生活相談会が開かれました。
昼食休憩では地元楢葉でとれたジャガイモや玉ねぎ、米を使ったカレーライスが振る舞われました。
つどいには、日本共産党の岩渕友参院議員らも参加して、交流しました。
(「しんぶん」赤旗2017年7月24日より転載)
福島第1原発3号機の内部調査・・底部でもデブリ多数確認か
東京電力は7月22日、福島第1原発3号機の水中ロボットを使った内部調査で、溶け落ちた核燃料(デブリ)とみられる物体が、原子炉格納容器の底部で多数見つかったと発表しました。
圧力容器直下では高さ推定約1メートルの岩状のかたまりがあったほか、周囲でも石や砂のような形状のものが確認されました。いずれもデブリの可能性があると東電はみています。19日の調査で作業用の足場がなくなっているのが明らかになりましたが、一部は他の構造物などとともに落下しているのが確認されました。
東電の木元崇宏原子力・立地本部長代理は、格納容器底部中心より外側に構造物が残っていたことなどから、圧力容器内から溶け落ちてきた溶融物は底部の中心に集中している可能性があるとの見方を示しました。
3号機格納容器には底から約6・4メートルの高さまで放射能汚染水が滞留。水中ロボットは、高さ約1~2メートルの水中を進行。堆積物などで、底面は確認できなかったといいます。水中ロボットを複数回、構造物などの上に降ろすと、堆積物の舞い上がりがあったといいます。
19日から始めた3号機の内部調査は22日で終了。水中ロボットは格納容器内から回収しました。
東電は映像などの情報を解析し、今後の作業計画に役立てるといいます。木元氏は「デブリの取り出しに向け、一歩踏み出せる情報が得られた」と述べました。
国と東電は今夏、デブリ取り出しの大まかな方針を決めます。2021年に、1~3号機のいずれかでデブリの取り出し作業を始める計画です。
(「しんぶん」赤旗2017年7月24日より転載)