日本原子力研究開発機構の大洗研究開発センター(茨城県大洗町)で、核燃料物質の点検作業中に作業員5人が被ばくした事故で、原子力機構は6月14日までに、今回破裂したビニール袋と同様、2004年に原子力機構の他の施設でも保管中のウラン、プルトニウム混合酸化物が入ったビニール袋の膨らみを確認していたことを明らかにしました。
他の施設は、同機構の核燃料サイクルエ学研究所(同県東海村)のプルトニウム燃料第1開発室。燃料製造過程で生じたスクラップで、1995年に貯蔵庫に搬入されていました。その後、98年と2004年にビニール袋を交換。2004年の交換の際に袋が膨らんでいたことが確認され、ガスが発生する可能性があるため、密封された箱に移して管理したといいます。
同機構は、今年1月と2月にビニール袋の膨らみを原子力規制庁に報告。同機構内でビニール袋の膨らみについて情報共有していましたが、具体的な対策は示さなかったといいます。
一方、同機構は、放射線医学総合研究所(千葉市)の退院後に行った5人の聞き取り内容を公表。作業昌は容器のボルト6本のうち、「残り2本のボルトを緩めた際に容器内圧が抜ける音が『シュ』とした」ため、汚染していないことを確認して作業を続行したといいます。2本のボルトを外したと同時に袋が破裂。作業者は、腹部に風圧を感じ、他の作業者全員が破裂音を聞き、「破裂した容器からモヤモヤとした内部からの漏洩(ろうえい)が認められた」と説明しています。
(「しんぶん」赤旗2017年6月15日より転載)