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汚染水「目標達成」は“幻”・・1日当たり平均約60トンは、実際は約120トンだった

 東京電力福島第1原発の放射能汚染水の増加原因の一つが、建屋に流入する地下水です。その流入量が、1日当たり平均約60トンではなく、実際は約120トンだった―。東電が発表した補正値を聞き、やっぱりそうだったかと思いました。高い放射線量のため人が近づけない汚染水の扱いの困難さを改めて感じました。

 ○…東電が毎週公表してきたデータには、疑問を感じざるを得ませんでした。地下水流入量は、処理途中で経由する建屋の水位などをもとに算出。今年に入って1日当たり百数十トン程度で推移していました。その少し前から、降水量と相関関係にあるはずの地下水流入量が、不自然な値を示していたのです。

 ○…建屋内の構造物による誤差があることは以前から分かっていました。今回、床板などの構造物による水位変動を見直したことで、精度が向上。4月20~27日の1日当たりの流入量は、当初の発表では過去最低の約60トンとしていましたが、実際はその2倍でした。

 ○…東電は今年3月末までに流入量を1日当たり100トン未満に抑制する目標を掲げ、建屋周囲からの地下水くみ上げや、敷地の舗装、凍土壁などの対策をしてきました。1ヵ月遅れで目標に届いたかに思えたデータは“幻”でした。(唐)

(「しんぶん」赤旗2017年6月9日より転載)