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第26回党大会 中央委員会報告での、東日本大震災復興策と即時原発ゼロのたたかい

東日本大震災からの復興――国民のたたかいで災害対策のまともなルールを

決議案第13項は、東日本大震災からの復興についてのべています。

未曽有の大震災から3年がたとうとしています。被災地では懸命の努力が重ねられていますが、いまだに多くの被災者が不自由な仮設住宅などの避難生活から抜け出せず、先の見通しがたたない生活を強いられています。被災地では人口流出も深刻さを増しています。決議案は、東日本大震災からの復興を「国政上の最優先課題」「日本の政治のゆがみをただす事業」と位置づけ、取り組みの方向を示しました。

強調したいのは、被災者と国民の連帯したたたかいこそが、災害対策のまともなルールをつくる力であるということであります。阪神・淡路大震災の被災者が起こした運動は、住宅再建への支援制度を新たにつくらせました。東日本大震災にさいしても、被災地のたたかいによって、被災した事業者を直接支援するものとしてグループ補助の制度などが新設されました。まだまだ不十分ですが、被災者と国民の連帯したたたかいこそが、前途を開く力であるということを、強調したいと思うのであります。

決議案は、「『個人財産の形成になる』といって、住宅、商店、工場、医療機関などの復旧を支援しないという旧来の災害対策の『原則』を取り払い、住宅と生業(なりわい)の再建に必要な公的支援を行うことを、復興の基本原則にすえることを求める」とのべています。

いま東日本大震災の被災者の生活と生業の再建のために、住宅再建の支援制度の充実、二重ローン問題の解決、用地確保のための特例措置など、国の姿勢を変え、従来の枠にとらわれない災害対策のまともなルールをつくることは、現に苦しんでいる被災者にとって切実な課題であるだけでなく、災害が多発する日本列島において国民の命と安全を守るうえで、将来にわたって重要な意義をもつものであります。

日本共産党は、政府にたいして旧来の災害対策からの転換を強く求めるとともに、党としての支援活動をさらに継続していきます。全国の党組織・民主勢力のみなさんのこれまでの支援活動に敬意と感謝をのべるとともに、引き続きの支援を心から訴えるものであります。

 

原発推進政策に反対し、「即時原発ゼロ」をめざすたたかい

決議案第15項は、「原発ゼロの日本」をめざすたたかいについてのべています。

原発推進への暴走を許すのか、原発ゼロに道を開くのかは、国政の熱い対決の焦点の一つとなっています。

「即時原発ゼロ」の政治決断こそ、もっとも現実的で責任ある態度

政府は、昨年12月、原発を「基盤となる重要なベース電源」として、将来にわたって維持・推進し、「再稼働を進める」とした、「エネルギー基本計画案」を発表し、閣議決定しようとしています。これは、民主党政権時に定めた「2030年代に原発ゼロ」という政府としての目標すら投げ捨てる、あからさまな原発推進宣言であります。

こうした政府の姿勢を受けて、全国の48基の原発のうち16基が再稼働の申請をおこなっており、さらに再稼働申請の動きが広がるとみられます。青森県・六ケ所村の再処理工場の稼働の申請もされました。

何よりも、これは国民多数の民意に背くものであります。

どんな世論調査でも、原発の今後について、「今すぐ廃止」「将来は廃止」をあわせると7割~8割にのぼります。原発再稼働と輸出をすすめ、将来にわたって原発にしがみつく安倍政権の姿勢は、福島原発の深刻な大事故を体験し、「原発ゼロの日本」を願う、国民多数の民意への挑戦にほかなりません。

第一に、事故原因の究明もされておらず、事故収束の見通しもたたないもとでの、原発再稼働など論外であります(拍手)。「新規制基準」は、各原発の地震・津波想定に対する数値の定めもなく、活断層があっても地表に「ずれ」が見えなければその真上に原発を建ててもよく、住民の避難計画は自治体まかせという、きわめてずさんなものであり、これをテコに再稼働をすすめるなど、断じて許せるものではありません。現在、日本のすべての原発は停止しています。このまま再稼働せずに、廃炉に向かうことこそ、もっとも現実的で責任ある態度ではありませんか。(拍手)

第二に、原発推進は、処理の見通しのない「核のゴミ」をさらに増加させる、もっとも無責任なものであります。「エネルギー計画案」は、「最終処分」を「将来世代に先送りしない」などといっています。しかし、使用済み核燃料を安全に「再処理」する方法も、「再処理」した後の高レベル・低レベルの放射性廃棄物を「最終処分」する方法も、人類は持ち合わせていません。すでに、多くの原発では使用済み核燃料を貯蔵するプールが満杯近くになっています。「核のゴミ」の問題を考えても、「即時原発ゼロ」の決断が強く求められているということを、強調したいのであります。(拍手)

第三に、「エネルギー計画案」は、原発は安価で安定供給だということを、原発固執の最大の理由にしていますが、これは成り立ちません。原発事故から3度の夏をこしても「電力不足」は起きておらず、日本社会は原発なしでもやっていけることは、日本国民が体験していることではありませんか。原発こそ究極の高コストであることは、その後始末にどれだけ巨額の費用がかかるかも定かでない福島原発事故が証明しているではありませんか。

「即時原発ゼロ」を政治決断し、再生可能エネルギーの思い切った普及と低エネルギー社会への転換に力をそそぐことこそ、政治がとるべきもっとも現実的で責任ある態度であるということを、私は訴えたいと思います。(拍手)

福島の復興と「原発ゼロの日本」を求めるたたかいを一体にとりくむ

「原発ゼロの日本」を求めるたたかいを、福島の苦しみに心をよせ、福島の復興をすすめることと一体にとりくむことが大切であります。

福島原発事故は収束するどころか、放射能汚染水が増え続け、制御できない非常事態が続いています。わが党は、昨年11月21日、汚染水問題の危機打開のためのシンポジウムを開催しました。そこでも明らかになったように、汚染水問題の解決と事故収束は、長期にわたる努力を必要とするものであり、内外の英知を総結集した取り組みが求められます。わが党は、政府に対して「放射能汚染水の危機打開のための緊急提言」にそくした抜本的対応を要求します。国会に、日本の科学者、技術者、産業界の英知を総結集する場をしかるべき形でつくることを提起し、この問題の解決のために力をつくす決意であります。

原発被害は、3年近くたった今、深刻さを増しています。福島では約14万人もの方々が避難を強いられ、震災関連で亡くなった方が、地震・津波の直接被害で亡くなった方を上回るなど、先の見えないつらい生活のなかで、命と健康が脅かされています。

政府は、昨年12月20日、福島の「復興指針」を決定しましたが、それは、(1)被害者である住民と自治体に、上からの線引きで格差を持ち込み、分断と幕引きをはかるとともに、(2)加害者である東京電力は、国民の税金と電気料金によって救済するというものになっています。被災地の自治体首長からも、「地域の分断を招く」、「支援策を差別するべきではない」との懸念と批判があいついでいます。

原発事故の被災者支援にあたっては、被災者を分断する一切の線引きや排除、「期限切れ」を「理由」にした切り捨てをおこなわず、事故前にどこに住んでいたかにかかわらず、避難している人もしていない人も、故郷に戻りたい人も戻れない人も、すべての被災者が生活と生業を再建できるまで、国と東京電力が責任をもって等しく支援することを、大原則にすえよ――日本共産党は、このことを強く要求してたたかうものであります。(拍手)

「原発ゼロ」をめざすかつてない創意的・画期的な運動の発展を

この間、「原発ゼロ」をめざす運動が、大きく広がっています。2012年3月に始まった首相官邸前の毎週金曜日の抗議行動が全国に広がるとともに、節々で、東京と全国各地で大規模な集会がもたれています。この運動は、日本の国民運動史上でもかつてない創意的で画期的な運動であります。この運動の力こそが、国民世論を変え、原発推進勢力への大きな圧力となり、再稼働への動きを押しとどめ、稼働原発ゼロという状況をつくりだしていることに、大いに確信をもとうではありませんか。

日本共産党は、この運動に固く連帯し、圧倒的な「原発ゼロ」を求める国民世論によって、原発推進勢力を包囲・孤立させ、「原発ゼロの日本」への道を開くために、全力をあげて奮闘するものであります。

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