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原発への火山灰対策で規制庁・・高濃度対応案検討へ

 大気中の火山灰が原発に与える影響について原子力規制庁は5月15日、これまで考慮されていたよりも数十倍以上の濃度に対して24時間対応できるよう事業者に求める案を原子力規制委員会の検討チームで示しました。

 噴火による降灰で広域の停電や非常用ディーゼル発電機のフィルターの目詰まりなどの影響が懸念されています。他方、大気中の火山灰濃度についての知見は観測値を含め十分でないとされています。

 これまでに新規制基準に適合しているとされた原発では、米国のセントヘレンズ山噴火で大気中に観測された1立方メートル当たり0・033グラムの火山灰濃度に対して、安全性を確保できるとする事業者の評価を規制委が了承してきました。九州電力川内原発は、ディーゼル発電機のフィルターは約2・5時間で目詰まりしますが、1時間程度で交換できることなどから機能が維持できるとしています。

 規制庁はこの日の会合で、新たに「機能維持評価用参考濃度」を設定。この濃度で2系統のディーゼル発電機の機能を24時間、維持するよう求める案を示しました。

 規制庁は、15センチ程度の降灰を想定した場合の推定火山灰濃度も示しました。降灰時間が24時間の仮定ではセントヘレンズ山噴火での数十~百数十倍となる、1立方メートル当たり2~4グラムなどとなりました。

 また、これまで重大事故対策で求められている全交流電源喪失の対応に、降灰による作業環境の悪化を想定することを追加で要求しています。

(「しんぶん」赤旗2017年5月17日より転載)