大阪・関電本店前
関西電力が高浜原発4号機(福井県高浜町)の再稼働を5月17日にも強行しようとする中、福井県の寺の住職が関西電力本店(大阪市北区)前で15日から、再稼働の再検討・断念を求めて抗議の断食をしています。
「じじばかとしても、今年5月に授かった初孫とすべての子どもたちのために、せめてもの贈り物をしたい」と語るのは、国宝の本堂や三重塔で知られる福井県小浜市の明通(みょうつう)寺で住職を務める中高哲演(なかじま・てつえん)さん(75)。若狭(福井県南西部)一帯に原発が増設されることに抗議して1977年に始めてから5回目の断食ですが、県外では初めて。かつて若狭湾を襲った大津波の調査や安全対策もなく、再稼働を強行する関電を批判しました。
東京電力福島第1原発事故から6年がたち、粘り強く再稼働に反対する人たちがいる一方で、「事故が風化しつつあるのも感じる」といいます。「まだどの世論調査でも再稼働反対が多い。関電にブレーキをかけるために、電力消費地の関西の広範な人たちに再稼働反対の声を上げてほしい」と呼びかけました。
(「しんぶん」赤旗2017年5月17日より転載)
高浜きょう再稼働 関電発表
関西電力は5月16日、高浜原発4号機(福井県高浜町)を17日午後5時に起動し、再稼働させると発表しました。使用済み核燃料を再処理したウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を使用し、プルサーマル発電を行います。
高浜4号機は昨年2月に再稼働しましたが、トラブルで3日後に緊急停止。大津地裁は同3月、高浜3、4号機の運転差し止めを命じる仮処分決定を出し、停止状態が続いていました。ところが今年3月、大阪高裁が仮処分決定を取り消したため、関電が再稼働の準備を進めていました。
一方、高浜3号機は16日、MOX燃料24体を含む157体の核燃料の搬入作業を終えました。関電は6月上旬の再稼働、7月上旬の営業運転移行を狙っています。
(「しんぶん」赤旗2017年5月17日より転載)
運転差し止めを 福井住民が申請・・地裁支部
再稼働に向け最終的な準備が進む関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)について、同県の住民2人が15日、関電を相手に運転差し止めを求める仮処分を福井地裁敦賀支部に申し立てました。関電は17日にも4号機を、6月上旬には3号機を再稼働させる方針です。
申立書で住民側は、東京電力福島第1原発事故のような深刻な事故が発生すれば、「人格権が回復不能になる」と主張しています。
高浜3、4号機をめぐっては、大津地裁が別の住民らの申し立てを受けて運転差し止めを命じる仮処分決定を出したものの、大阪高裁が今年3月に取り消しました。関電は「申立書が届いていないので詳細についてはコメントを差し控える」としています。
(「しんぶん」赤旗2017年5月17日より転載)