足場落下新たに確認・・福島第1原発 2号機内部の画像解析
東京電力は3月30日、福島第1原発2号機原子炉格納容器内部を1月末に撮影した画像を詳しく解析した結果を発表しました。圧力容器直下の作業用足場がなくなっている箇所が新たに判明。直径5メートルの足場のうち、これまでの約2倍の3割程度が脱落していることが分かりました。
足場がなくなっている箇所の上部では、制御棒を動かす装置のケーブルが損傷。一方、足場が残っている箇所の上部は、ほぼ原形をとどめていました。
記者会見した東電福島第1廃炉推進カンパニーの増田尚宏プレジデントは、「上から何かが落ちた」と判断。ただ、核燃料が溶け落ちた確証はないとしました。
足場がなくなった箇所では、底部から湯気が上がっているのを確認。増田氏は、底部には溶け落ちた核燃料(デブリ)の他に熱源はないとしながらも、湯気がデブリによるものとは「断定できない」と述べました。
東電は、放射能汚染水増加の原因である地下水の建屋流入量について、3月は1日当たり平均約120トンだったと発表しました。国と東電は、2016年度内に1日当たり100トン未満に抑制するという目標「中長期ロードマップ」を決めていました。
流人量は14年時点で同400トン程度。東電は、構内山側や、建屋周囲での地下水のくみ上げをはじめ、フェーシング(敷地の舗装)、凍土壁(陸側遮水壁)などの対策をとってきました。
(「しんぶん赤旗」2017年4月1日より転載)
高速実験炉「常陽」・・規制委に審査申請
日本原子力研究開発機構は3月30日、高速実験炉「常陽」(茨城県大洗町)について、新規制基準の適合性審査を原子力規制委員会に申請しました。2021年度までの再稼働を目指すとしています。
申請では、想定される地震の揺れを最大700ガル、津波の高さは最大約17メートルと見積もりました。原子力機構は耐震補強工事などに必要な予算を約54億円と見込んでいます。
常隠は1977年に運転開始。熱出力は10万キロワット。07年の実験装置のトラブル以降、運転を停止しています。
昨年12月、もんじゅの廃炉を決めた政府の高速炉開発会議は、原型炉の次の段階の実証炉開発の中で、常陽を活用する方針を提示。再稼働で得られるデータの利用などに言及しています。
(「しんぶん赤旗」2017年4月1日より転載)