衆院本会議で3月30日、原子力損害賠償・廃炉等支援機構法改定案が審議入りしました。東京電力福島第1原発事故をめぐり、世耕弘成経産相のもとに設置された東電改革委員会が昨年末、事故処理費用を21・5兆円と試算。同法案は、この費用の確保を口実に東電への支援策を追加するものとなっています。
日本共産党の真島省三議員は、機構法の枠組みのもとでこれまで加害者である東電は救済される一方、被害者が切り捨てられてきたと指摘。改定案は国民に青天井の負担を強いるものでしかないと批判しました。
事故処理費のうち廃炉費8兆円の試算根拠について、経産省も機構も「有識者の試算であり自らは評価していない」などと無責任な姿勢を示していることを批判。汚染水対策などで費用が膨らむ可能性をただすと、世耕氏は「現時点で上振れは想定していない」としながら、「追加すべきものは追加する」と述べ、試算の枠内に納まらない可能性を認めました。
さらに真島氏は、同委員会の提言が、廃炉費や、過酷事故は起こらないという「安全神話」をふりまき備えてこなかった賠償費の“過去分”まで電気料金に上乗せしようとしていることは「原発推進の責任を国民に転嫁する不当請求だ」と批判しました。
真島氏は、原発が究極の高コスト電源であり、「再稼働路線は完全に破たんしている」と強調。省エネルギー・再生可能エネルギー中心の「原発ゼロの日本」への転換を求めました。
(「しんぶん赤旗」2017年3月31日より転載)