【ニューデリー=安川崇】今月末の安倍首相のインド訪問に向け、日印核協定の締結に反対する市民らが「安倍さん、原発輸出ノー」と書いたポスターを掲げた自身の写真をインターネット上に投稿する運動を展開しています。インドの反核団体関係者が始め、フェイスブックなどを通じて拡散。10日間で日印両国を中心に少なくとも500人が応じました。主催者は「多くの市民が核協定に反対していることを、目で見えるように示したい」と語ります。
両国政府は、日本からインドへの核技術の移転を可能にする協定の締結を目指しており、今回の訪印で何らかの合意に達するとの見方が出ています。
インド各地の反原発運動団体は「福島第1原発の事故が収束しないうちから日本が原発技術を他国に売るのは理解しがたい」と一斉に反発しています。
「ポスターでポーズ」と題する今回のキャンペーンは、反核団体職員のクマール・スンダラム氏(35)が知人らと今月10日にスタート。写真とともに「安倍さん、インドはあなたを歓迎します。でも原子力はお断り!」と書かれたポスターを英語やインドの各州言語、日本語で作成し、ネット上に公表しました。
これに賛同したインドや日本の市民がネット上で次々に転載。直後からポスターを持った写真が集まり始めました。17日には東京・首相官邸前で反原発行動の参加者多数がポスターを持ち、写真に納まりました。24日の官邸前行動でも撮影するといいます。
同氏と日本の行動参加者らはネットを通じて写真の活用法を相談。25日からの首相訪印に合わせ、ニューデリーや各都市で写真を印刷したポスターや横断幕を展示し、抗議集会を実施することを決めました。締結中止を求める声明文を東京、ニューデリーの両国首相官邸と大使館に送付する計画です。
スンダラム氏は「できるだけ多くの人に『ポーズ』してほしい。また、日印の反原発運動の連携を強める機会にもしたい」と語っています。