福井県内外の住民189人が関西電力に対して大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の運転差し止めを求める裁判の第6回口頭弁論が1月22日、福井地裁(樋口英明裁判長)で開かれました。裁判所は、この間、関西電力に対し、大飯原発を襲う地震について、「どの程度の規模のものがありうると考えるか」と繰り返し回答を求めてきたものの、関電側から明確な回答がなく、憤りを表しました。
大飯3、4号機は現在、定期検査で停止状態ですが、再稼働の前提となる新規制基準の適合性審査が進められており、今夏に向け事態は緊迫しています。
関電側は、大飯原発に想定される地震規模や、使用済み核燃料プールの脆弱(ぜいじゃく)性についての回答を、今回も「可及的速やかに(回答する)」などと先延ばししました。これに対し、裁判所は「原告の反論の機会を失わせるものだ」と厳しく批判し、原告側も、想定される地震規模について、「それを考えずに原子炉設計しているとは思えない。どうして、そんなに(回答に)時間がかかるのか」と不信感を表しました。
原告側は、原子力規制委員会の専門家会合委員として大飯原発敷地内断層調査にあたった渡辺満久・東洋大学教授の講演ビデオを上映。大飯原発周辺の海底と陸域の活断層を連動するものとみなし、これらを境に、過去12万~13万年間に隆起してきた範囲には同原発敷地も含まれるため、再び活新層が動けば、敷地地盤の断層や「地滑り」面もずれる危険があるとした指摘を提起しました。
次回の弁論は3月5日になりました。