福島原発1号機 内部調査を中止・・監視カメラ不具合
東京電力福島第1原発1号機で溶け落ちた核燃料(デブリ)の状況把握に向けて、3月14日から予定していた原子炉格納容器内部のロボット調査を中止したと東電が同日、発表しました。東電によると、格納容器外側に設置した監視カメラに不具合が生じたため。
映像が映らなくなったのは、格納容器内へ投入するロボットの状態などを監視するカメラ。ロボット本体や、格納容器内に投入するカメラに異常はないといいます。原因を調査した上で、準備が整い次第、作業を再開するといいます。
1号機の調査は、線量計と水中カメラを先端に取り付けたケーブルをロボット本体から、格納容器底部の放射能汚染水の中に垂らし入れて行います。
1号機は核燃料の大半が圧力容器から溶け落ちたとみられ、デブリが格納容器の底部にどの程度拡散しているのか把握して、取り出しの方針を決めます。
(「しんぶん赤旗」2017年3月15日より転載)
動燃元次長遺品 返還請求を棄却・・東京地裁
動力炉・核燃料開発事業団(当時、略称「動燃」)の総務部次長だった西村成生さん=当時(49)=の遺族が、遺品返還を警視庁や東京都に求めた「もんじゅ西村遺品返還訴訟」の判決が3月13日、東京地裁(原克也裁判長)で言い渡され、原告の請求を棄却しました。
西村さんは高還増殖炉もんじゅのナトリウム漏れ事故で、動燃のビデオ隠し問題に対応中の1996年1月に急死しました。警視庁中央警察署は宿泊先から「飛び降り自殺」と断定していました。
判決は西村さんの急死について「事件性がないもの」とした上で「被告が現在、(遺品を)占有している事実を認めることはできない」などとしました。
西村さんの妻で原告のトシ子さんは同日、控訴する意思を表明しました。
原告代理人の大口昭彦弁護士は「持っていないから、返せないという判決。肝心のなぜ持っていないのかについて、判決は実質的なことを何も言っておらず不当だ」と判決を批判しました。
(「しんぶん赤旗」2017年3月15日より転載)