日本共産党の塩川鉄也議員は3月14日の衆院環境委員会で、原子炉等規制法改定案について、原発の検査に対する国の責任を放棄し、事故・トラブルの隠ぺい、データ改ざんを繰り返してきた電力会社まかせにするものだと批判しました。
改定案は、現在国と事業者とがそれぞれ行っている原発の検査を、電力会社が検査したうえで国が事後評価する方式に改めるものです。
塩川氏は東京電力の根深い組織的隠ぺい体質を指摘。2002年の福島第1・第2原発、柏崎刈羽原発での原子炉圧力容器内のシュラウド(隔壁)のひび割れデータ改ざんや、07年の柏崎刈羽周辺での活断層隠ぺいをあげ、福島事故の背景には事業者の隠ぺい体質があったと強調しました。原子力規制委員会の田中俊一委員長は「(隠ぺいは)東電の体質ともいえる」「安全文化の欠如は確かにあった」と認めました。
塩川氏は、柏崎刈羽原発の免震重要棟の耐震性不足を3年近く報告していなかったことなど、隠ぺい体質は今も続いているとし、「原子力施設の安全確保を、このような事業者に委ねるのか」と追及。田中氏は、隠ぺい体質の改善にはふれず、「発覚すれば原子炉停止などの処罰がある」などと、あくまでも事業者任せの姿勢に固執しました。
塩川氏は、東京電力のデータ改ざんや1999年の東海村JCO臨界事故などを踏まえて制定されてきた国の検査が改定案でなくなることを示し、過去の検査制度の見直し経緯にも逆行していると批判しました。
(「しんぶん赤旗」2017年3月15日より転載)