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「帰還ありき」政策に無理・・東京でNGO集会 被災者・専門家が講演

 東日本大震災から6年となるのを前に、国際環境NGO「FoE Japan」が3月10日、東京都内で集会を開きました。被災者や専門家が講演を行い、100人以上が参加しました。

 原発事故被害者団体連絡会の武藤類子共同代表は「村に帰れば人工透析に通えなくなるため、仮設住宅を離れられない人もいる。帰還ありきの政策には無理がある」と話しました。

 福島市から参加した女性(44)は、「今でも3・11の報道を見ると涙が出る」と語りました。女性は妊娠中に被災し県外避難しましたが、金銭的にも精神的にも避難を続けるのが難しくなり、福島市に帰還。「放射能に対する不安はあります。でも他の土地で一から生活をする余力はなく、自分の決断に眠れない日が続きました」と話し、被災者の帰還について「今、福島に必要なのはどんな選択もできる多様性です」と訴えました。

 立命館大学国際関係学部の大島堅一教授一は、原発のコストについて「40~60年という短い運転期間は経済的でも、運転終了後は超長期にわたり、廃炉や放射性廃棄物処分の負担が続く。あとから請求書が来るのが原発です」と強調。「世耕経産相が、原発は事故費用を入れても安いと発言しましたが、被災者の苦しみも安いというのでしょうか」と批判しました。

(「しんぶん」赤旗2017年3月11日より転載)