原発ゼロをめざして3月11日、全国各地でさまざまな行動が取り組まれました。
泊は再稼働させない
北海道
「原発事故から6年フクシマを忘れない!・さようなら原発北海道集会」が、札幌市で開かれ、900人が熱心に聞き入りました。開会前から続々と市民が訪れ、会場に入りきれずロビーまで人があふれました。
「復興作業が進んでいない現実がわかりました」という鎌田隆希さん(21)は「廃炉に向けて今回のような集会に参加し、意識を共有することが大事です」。手稲区の20代の女性は「外国の弁護士に批判される日本政府は、国民として恥ずかしい。きちんと対応してもらいたい」と話し、最後に「自然と共に生きるなら原子力なんて必要ない」「STOP再稼働」とボードを高く掲げました。
「泊(とまり)原発再稼働させてはいけない八つの理由」と題して小野有五北海道大学名誉教授が講演。今後10年間の電力供給の見通しでは、泊原発なしでも電力は余裕があり、将来は有り余るほどになると指摘。「一刻も早く廃炉にし、再生可能エネルギーに転換することが、北電にとっても道民にとっても一番いいことだ」とのべました。
原子力資料情報室の伴英幸共同代表は「原発事故が起これば大変な事態になり、影響は時間がたてばたつほど深刻さを増す」と警鐘を鳴らしました。
廃炉まで頑張ろう
新潟
原発をなくす新潟県連絡会は、新潟市で「原発ゼロ新潟中央集会」を開き、会場いっぱいの300人が参加しました。
3・11被災者に黙とうしたあと、関根征士代表委員が「企業倫理も法令順守もしない東京電力に原発を動かす資格はない。廃炉でともに頑張ろう」とあいさつしました。
米山隆一知事、森ゆうこ参院議員がメッセージを寄せ、知事は「福島事故の原因、健康への影響、避難方法の三つの徹底検証がなされない限り、再稼働の議論は始められないという立場を堅持していく」と述べました。
3人が発言。福島県農民逓の菅野正寿さんは「被災者は苦しみと人権を奪われた。今こそ原子力共同体の構造を変えることが歴史的使命だ」と力説。なくそテ原発柏崎集会の植木史将実行委員長は「原発に関心がなかった自分が、運動体のつなぎ役になろうと活動してきた。10月の千人集会を必ず成功させよう」と訴えました。
日本共産党の武田良介参院議員は「廃炉費用の21兆円負担は許せない。原発ゼロは安倍政権を倒すしかない。新潟のように市民と野党の共闘を広げよう」と強調しました。
にしざわ博衆院北陸信越比例候補(新潟5区重複)も参加しました。
平和な社会をめざす
福井
福井県では、福井市で集会とパレードが実施され、県内外から約500人が参加しました。原発のない平和な社会をめざす集会アピールを拍手で採択し、「原発再稼働は許さないぞ」と訴えて市街地をパレードしました。
集会には、日本共産党、自由党、緑の党などからメッセージが寄せられました。
吉岡斉・九州大学敦授と小野一工学院大学准教授が講演。吉岡氏は「原発は怖いだけでなく能力が低く、例えばコスト的に非常に問題を抱えている」と指摘し、「(国が)無理に(原発を)『介護』するより、お引き取り願おう」と述べました。
福島県浪江町から兵庫県に避難している年金生活の女性は、この6年間を「塗炭の苦しみ」として「原発に反対することは政治的な偏りでしょうか。反対するのは暮らしの当たり前の要求です」と訴えました。
リレー形式で5人が発言し、福井から原発を止める裁判の会の嶋田千恵子事務局長は、関西電力大飯原発をめぐる控訴審(名古屋高裁金沢支部)で行う島崎邦彦・元原子力規制委員長代理の証人尋問にふれ、「4月24日は金沢(支部)に集まろう」と訴え、高浜町の東山幸弘さんは「原発に頼っていても未来はない」と述べました。
事故は収束していない
京都
高浜原発の再稼働反対などを訴える「バイバイ原発3・11きょうと」が、京都市東山区の円山公園音楽堂で開かれ、2500人が参加しました。主催は同実行委員会。
参加者は「高浜動かすな」「命を守れ」と唱和し、観光客らでにきわう繁華街をデモ行進しました。
福島県南相馬市から京都に避難した福島敦子さんと福島さんの娘がスピーチ。それぞれ「6年がたつが、まだ原発事故は収束していない。避難者を無理に帰還させ、″復興″と言わないで」「小学2年で地震にあった。友だちにさようならも言えず、楽しかった学校生活も奪われた。震災前の自然と幸せを取り戻し、こんなことが起こらないように願っている」と述べました。
鹿島啓一弁護士と、福島県飯舘村の酪農家の長谷川健一さんが講演し、ロックバンド「ソウル・フラワー・ユニオン」の中川敬さんがライブを披露しました。
日本共産党の倉林明子参院議員が参加し、紹介されました。
みんなと運動を広げ
大阪
「なくせ原発!再稼働はんたい!3・11おおさか大集会2017」が大阪市内で開かれ、650人が参加しました。大阪からも「原発ゼロ」の声を大きく広げ、国民世論で安倍政権と電力各社を包囲し、原発ゼロ・自然エネルギー推進の政府の実現をと、原発ゼロの会・大阪が開いたものです。
立石雅昭・新潟大学名誉教授(地質学)が「原発事故から命と暮らしを守るために」と題し講演。福島原発事故の原因や原子力防災の問題点を指摘し、再稼働反対運動や新潟県知事選挙にも触れ、「私たちの運動は多くの人を対象にし、みんなと一緒に対話して運動を広げていかなけれはいけない」と話しました。
菅義人事務局長が、▽原発ゼロ・自然エネルギーヘの転換▽被災者本位の復興を求める世論を▽大電力消費地・大阪で粘り強く広げよう!と述べ、署名・宣伝運動や被災者・被災地支援、学習の取り組みなど当面の取り組みを呼びかけました。
リレートークでは、「毎週金曜に宣伝行動をしている。昨日で234回を数え、のべ2666人が参加している」(寝屋川市)などの発言がありました。
避難者増やさせない
島根
中国電力島根原発が立地する松江市で「島根原発再稼働絶対止めよう!・県民集会」が開かれました。会場の公園には親子連れなど約500人が参加し、頭上に「再稼働NO!」と害いた紙をいっせいに掲げ、アピールしました。島根・原発エネ
ルギー問題県民連絡会の主催。
同会の杉谷肇共同代表があいさつし、「与党は福島の教訓を生かしていない。県政も同じだ。島根原発を止め、原発をゼロにしなければならない」と強調しました。
福島県から雲南市に避難している坂本美緒さんは「福島から避難して悩んでいる人の声を届けるためにネットワークをつくっています。苦しい思いをしている人のために、みなさんの協力をお願いします」と訴えました。福島への支援を続ける放射線技師の樋野伸一さんは「6年たつのにいまだ数万の人が避難している。このことを考えても原発はいらない」と主張しました。
集会後、中心街をパレードし「島根原発再稼働反対」とコールし
ました。
参加した市内の男性(35)は「福島原発事故は終わってないと感じた。島根原発のために避難者をこれ以上増やすことがあってはならない」と話しました。
世界と時代の流れに
福岡
さよなら原発!3・11北九州集会(主催=同集会実行委員会)が、北九州市小倉北区で開かれました。会場の市庁舎前の公園には「玄海原発再稼働反対」などのプラカードや横断幕を手にした2000人が参加。日本共産党の田村貴昭、真島省二両衆院議員と地方議員が紹介されました。
主催者を代表して棚次奎介代表(北九州市立大学名誉教授)は、「集会を契機に、原発再稼働と原発推進を止めさせよう」と呼びかけました。深江守事務局長が基調報告したあと、長谷川照・九州玄海訴訟原告団長は、「『原発はいらない』は世界と時代の流れ。もう一息、頑張りましょう」と訴えました。
グリーンコープ生協ふくおか小倉北支部、全港湾労組青年女性部、エフコープ生活協同組合、健和看護学院、辺野古埋め立て土砂搬出反対北九州連絡協議会の5団体の代表があいさつしました。
集会後、JR小倉駅前までパレードしました。
(「しんぶん赤旗」2017年3月12日より転載)