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帰還強制やめ補償継続を・・原発と人権ネットが緊急提言

(写真)緊急提言について記者会見する人たち=3月8日、衆院第2議員会館

 「原発と人権ネットワーク」は3月8日、東京電力福島第1原発事故の避難指示の解除と、補償打ち切りを一体化することで、避難者に帰還を強制するような政策を改めるよう国に求めた緊急提言を発表しました。衆院第2議員会館で、記者会見しました。提言は13項目。

 被害補償や復興をめぐる国の政策について、提言は、住民を行政区画で分断した「線引き」による被災者への差別が最大の問題だと指摘。

 帰還政策では、国が今春までに帰還困難区域を除いた区域の避難指示解除と、補償の打ち切りを一方的に行い、避難者に帰還を強制していると批判し、全ての被災者に、実態に合った補償を継続、徹底するよう訴えています。

 指示区域外の避難者(自主避難者)に対する住宅支援の打ち切りについて「人間の生きる権利を奪うものだ」と述べています。

 記者会見で、いわき市民訴訟原告団の伊東達也団長(75)は帰還強制に関して「昨年まで“帰還宣言”した5市町村の帰還率は13%程度。高齢者がほとんどで、このままの推移では町村ごと消えてしまう」と懸念を表明しました。

 原発被害者訴訟原告団全国連絡会の佐藤三男事務局長(72)は「提言にある政策が行われていたら、私たちは、裁判に訴えることはなかった。国と東電の責任を司法の場で明らかにしたい」と力を込めました。

 同ネットワークは、原発事故被害の賠償訴訟の弁護団や、法律家、科学者、ジャーナリストなどの11団体で構成。

(「しんぶん赤旗」2017年3月9日より転載)