原子力規制委員会は3月8日、「グローバル・二ュークリア・フュエル・ジャパン」のウラン燃料加工工場(神奈川県横須賀市)について新規制基準に適合するとした審査書案を了承しました。核燃料施設の審査書案了承は初めて。経済産業相への意見を聞いたうえで決定する予定。科学的・技術的に重大な判断を要しないため意見募集は行わないとしています。
審査では地震、津波、竜巻などで施設が損傷し放射性物質が放出された場合の影響を評価。地震によって損傷した場合、放射性物質の放出量は9600万ベクレル、敷地周辺の市民の被ばく量は0・61ミリシーベルトと評価しています。また、地震による損傷と竜巻が重なった場合は、1・01ミリシーベルトと評価。いずれも基準の5回折を下回るとしています。
同施設では2008年に施設内でウラン粉末が飛散し作業員が被ばくする事故が起き、11年にはドラム缶が腐食し、放射性物質で汚染した液体が漏れる事故を起こしています。
同社は、米国ゼネラル・エレクトリックと東芝、日立製作所の出資で設立され、沸騰水型炉の燃料を製造しています。
(「しんぶん」赤旗2017年3月9日より転載)
川内特重施設の審査書案を了承 規制委
原子力規制委員会は3月8日、九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)の特定重大事故等対処施設(特重施設)についての申請が新規制基準に適合しているとする審査書案を了承しました。今後、経済産業相と原子力委員会からの意見聴取を経て、許可をする見通しです。
特重施設は、原子力施設への意図した航空機の衝突などのテロ攻撃を受けた際に対処拠点となる施設。公開された審査書案は、セキュリティーを理由に設置場所など多くが白抜きにされ、明らかにされていません。また、意見募集は行いません。
特重施設の審査書は決定すれば関西電力高浜原発3、4号機に続いて2例目になります。
特重施設の設置は当初、新規制基準施行の2013年7月から5年の猶予期間が与えられていました。
しかし、審査が進んでいないため規制委は、新規制基準に適合させるための詳細な機器の設計などを定めた工事計画の認可から5年とし、猶予期間をさらに延ばしました。川内原発1、2号機の猶予期限は、それぞれ20年3、5月です。
(「しんぶん」赤旗2017年3月9日より転載)