眼下に見る東京電力福島第1原発。1~4号機建屋の山側をはじめ構内の地表は、モルタルで舗装され灰色になっています。染み込んだ雨で地下水が増加するのを抑制することなどが目的の「フェーシング」です。増え続ける放射能汚染水は、地下水に由来しています。
日々新たに発生する汚染水量は現在、おおむね200トン。昨年2月と比べて、半分程度に減りました。1~4号機周囲の地盤を凍らせる「凍土壁」(陸側遮水壁)などの効果ではないかと、東電はみています。
その放射能汚染水をためるタンクが、構内を埋め尽くしています。現在の技術では取り除くことができないトリチウム、(3重水素)を含む汚染水は約73万トン。建屋地下にたまった高濃度の汚染水や処理途中の汚染水を含めると、総量は100万トンを超えます。
5、6号機の山側のエリアは、樹木が伐採され赤土が見えています。大量に発生する使用済み防護服などを焼却する施設の予定地です。
3号機原子炉建屋は、使用済み核燃料プールからの燃料取り出しのため大型クレーンを使った工事が続いています。建屋上部は、がれきが撤去され、作業員の被ばくを防止するため遮蔽(しゃへい)体が敷き詰められています。
1号機は、原子炉建屋を覆っていたカバーが外され、上部のゆがんだ鉄骨がむき出しになっています。ロボットを使った内部調査が、今月中にも実施される予定です。
(本紙チャーター機から、記事・唐沢俊治、撮影・三浦誠)
(「しんぶん」赤旗2017年3月4日より転載)