東京電力福島第1原発周辺にあった県立高校5校で3月1日、卒業式が行われました。いずれも4月から休校する予定で、保護者や同窓生らが最後の卒業生計111人の門出を祝いました。
帰還困難区域に指定された同県双葉町に校舎がある双葉高校は、同県いわき市で卒業式を開催し、3年生11人が出席しました。同校は1923年開校。部活動が盛んで、野球部は甲子園に3度出場した実績を持ちます。
保護者ら約100人が見守る中、11人は緊張した面持ちで小島稔校長から卒業証書を受け取りました。卒業生代表の菊池歩実さん(18)は「人数が少なくたくさんの困難もあったが、多くの方や他校との交流が励みとなった。これからも待ち受ける困難を乗り越えられるよう頑張りたい」と別れの言葉を読み上げました。
この他、浪江、浪江津島、双葉翔陽の3校も同県本宮、いわき両市で午前中に、富岡高校は福島市で午後から卒業式を行いました。
5校は原発事故後の住民避難に合わせ、県内外に移転。別の学校などを間借りして授業を続けていましたが、広野町に県立ふたば未来学園高が開校することが決まり、休校が決定。2015年4月からの新入生募集を停止していました。
(「しんぶん」赤旗2017年3月2日より転載)