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福島2号機に調査ロボ投入・・原子炉直下に至らず

 東京電力は2月16日、溶け落ちた核燃料(デブリ)の状況調査のため福島第1原発2号機の原子炉格納容器内に、線量計や温度計などを搭載したサソリ型調査ロボットを投入しました。東電は、目標とした原子炉圧力容器直下の作業用足場(直径5メートル)まで到達できず作業を終了したと明らかにしました。映像や放射線量、温度などのデータは回収できました。

 東電によると、ロボットは、足場の入り□となるレールの端部付近まで進んだものの、動きが悪くなったためレール上に残しました。

 ロボットは、線量計などを搭載し、格納容器内の放射線量の実測値が得られます。事前調査では、映像のノイズから線量を推定していました。温度データと合わせて、デブリの状況や位置など新たな情報を得られる可能性があります。

 今回の調査をめぐっては、通り道となるレール上に高さ3センチ程度の堆積物があることや、カメラの不具合の原因となる高線量が懸念されていました。また、調査範囲だった作業用足場が複数箇所で脱落していることが判明し、困難が予想されていました。

 

新潟知事が東電を批判・・耐震性 異なる説明“話し合いは何だった”

 新潟県の米山隆一知事は2月16日、東京電力柏崎刈羽原発6、7号機(同県柏崎市、刈羽村)の審査で事故時の対策拠点にしている免震重要棟の耐震性不足を東電が2014年に把握しながら異なる説明をしていたことに関し、「事実と異なる説明をしていたことの原因と経緯を報告すること」などを東電に要請しました。

 要請では「審査において、事実と異なる説明をしていたのでは、安全確保はできません」と指摘しています。

 米山知事は前日の記者会見で、「本当に困る。今後の議論の進め方に大きく影響してしまう」と東電に対し苦言を呈しました。

 米山知事は柏崎刈羽原発の再稼働について、東電に「県民の命と暮らしが守られない現状では認められない」と慎重な姿勢を伝えていました。今回の件で知事は「説明を信じるのが全てのベース。今までの話し合いは何だったのか」と批判しました。

 安全が担保されることを条件に再稼働を容認する柏崎市の桜井雅浩市長も同日の記者会見で、「(東電の)体質が発展途上だと見せつけられた。再稼働には、より一層厳しい条件を付けなければいけない」と指摘しました。

 

島根2号機の装置ひび割れ

中国電力は2月16日、停止中の島根原発2号機(松江市)の原子炉圧力容器内の装置の溶接部で、長さ約55センチのひび割れが見つかったと発表しました。周辺環境への影響はないといいます。

中国電によると、2号機の建設時、この装置に作業用の穴を開け、1989年2月運転開始前にカバーでふさぎましたが、その溶接部がひび割れていました。放射能を帯びた水が圧力容器の外に漏れる可能性はないといいます。

(「しんぶん」赤旗2017年2月17日より転載)