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東海第2 安全協定見直しを・・茨城 原電に6市村要求

 東日本大震災で被災し、適合性審査中の東海第2原発を抱える茨城県東海村と周辺5市の首長でつくる「原子力所在地域首長懇談会」は2月9日、同村内で懇談会を開き、日本原電の村松衛社長に対し、同原発の再稼働をめぐる事前協議について周辺5市にも東海村と同等の権限を与えるよう、原子力安全協定の見直しを求める要求書を手渡し、速やかな回答を求めました。

 首長懇談会側は、これまでも協定の見直しを求めてきましたが、原電側は明言を避けてきました。

 懇談会の冒頭、座長を務める東海村の山田修村長が、周辺市への権限の拡大について「明確な回答がなかった」ときびしく指摘。協定の見直しを強く求めました。

 周辺5市の市長、副市長はそれぞれ、「福島第1原発の事故の経過を見ても、これまでの考え方は通用しない」(ひたちなか市)、「安全を確保するうえで協定の見直しは不可欠だ」(常陸太田市)、「福島の事故の影響は広範囲に及んでいる。原発の所在地だけとの協定では意味がない」(日立市)、「誠意ある回答がないのは遺憾だ」(那珂市)、「市民を守るという意向を踏まえて対応していただきたい」(水戸市)などと発言しました。

 村松社長は「一言、一言を重く受け止め、真摯(しんし)に対応する」などと繰り返しました。

 

廃炉・賠償 負担に異議多数・・経産省有識者会議 意見公募結果

 膨大に増える東京電力福島第1原発事故の廃炉・賠償費用や、それ以外の原発の廃炉費用の一部を国民負担につけ回す内容を盛り込んだ「中間とりまとめ」を出した経済産業省の有識者会議が2月9日開かれ、「中間とりまとめ」に対し、1412件の意見が寄せられたと報告しました。

 同省がホームページ上に掲載した募集結果では、多くが国民負担への転嫁に対する反対や批判、疑問の意見です。しかし、同省は注釈などごく一部を修正しただけで、今後、報告書に沿って省令などを変更するとしています。

 有識者会議が昨年末に出した「中間とりまとめ」は、福島原発の賠償費用を、大手電力会社が持つ送配電網の使用料(託送料金)に上乗せして回収することや、他の原発の廃炉について事業者を優遇する会計制度を維持するために託送料金の仕組みを利用するなど、原発を持たない「新電力」と消費者に新たな負担をさせる内容です。

 賠償費用については、「福島第1原発事故前に確保されておくべきだった」などと理屈づけ、今後40年にわたって2・4兆円を「託送料金」に上乗せするとしています。

 掲載された募集結果は、同省が類似の意見を約500件にまとめ、それぞれに政府見解を示したものです。

 意見では「事故費用はすべて責任ある東電が支払うべきで、将来世代にまで負担させてはならない」「青天井で負担が転嫁される」「原発支援策にほかならない」「電力自由化や発送電分離の考え方から逸脱」「経産省だけで決める問題でない。国会で議論すべき」などが目立ちます。また、原発が「安い」などと推進してきた政府や電力会社の責任を問う意見もありました。

(「しんぶん」赤旗2017年2月11日より転載)