東京電力福島第1原発2号機で溶け落ちた核燃料(デブリ)の状況把握に向け、東電は1月30日にも、原子力圧力容器の直下までカメラを入れて周辺を撮影します。順調に進めば、2月中に自走式の小型ロボットを投入し、圧力容器直下を調査する計画です。
26日の調査では、ロボットの進入通路となるレールに大きな損傷はなく、障害物も確認されませんでした。30日に予定されている調査では、圧力容器直下のロボットが入る空間までパイプを伸ばし、先端に取り付けたカメラで撮影します。
2号機では、核燃料の大半が圧力容器内にとどまり、一部は落下しているとみられます。デブリが確認されれば、事故後初めてとなります。ただ、原子炉格納容器内は視界が悪い可能性があり、30日の調査でどこまで見えるかわかりません。
東電は、デブリの状況や位置を把握した上で、取り出し方法を2018年度までに決める予定です。
2号機格納容器内の放射線量は2012年の測定で、最大値は毎時約73シーベルトでした。人が数分間浴びると死亡する高線量です。
今回の事前調査では、レール上に障害物がある場合に備え、高圧水を噴射する装置を準備しています。放射線に対する耐久力が高いカメラを採用しました。
格納容器のロボット調査は2015年に、1号機で実施。走行面の把握が不十分で、ロボットが溝にはまりました。また、高線量でカメラの映像が確認できなくなりました。
(唐沢秀治)
(「しんぶん」赤旗2017年1月30日より転載)