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過労自殺受け 関電社長を労働局指導・・「これから早く帰れそうや」職場に衝撃走る

関西電力本店=大阪市北区

 社長を直接呼び出して指導-。関西電力の職場に衝撃が走りました。高浜原発(福井県高浜町)運転延長の審査手続きに対応していた40代課長が過労自殺した問題で、福井労働局敦賀労働基準監督署が管理職を含む全社員の労働時間管理の徹底を求めて関電に指導票を交付。福井労働局が1月6日、岩根茂樹社長に出頭を要請し、手渡すというきわめて異例な事態に発展しました。              (名越正治)

 関電の各営業所では、労働者が「電通に続いて、長時間労働はあかんと関電にイエローカードがだされた」と話題にし、「これから早く帰れそうや」という管理職もいます。

 17日には、大阪労働局天満労基署が、関電本店に勤務する6人の時間外メール送信が確認されたとして、未払い賃金を支払うよう勧告しました。

 管理徹底して

 京都のある営業所では、上司が昨年暮れの会議で「原子力部門で過労自殺があり、労災に認定された。労基署が営業所に抜き打ち調査に入った。時間外労働の管理を徹底してほしい」と命じました。

 さらに13日、同じ上司が時間外労働について終礼で、サービス残業(ただ働き)にとられないようにとパソコンの操作まで事細かに指示をしました。

 「残業時間を管理しろと2度いうのは初めてや」と労働者たち。

 関電OBと現役労働者でつくる「電力労働運動近畿センター」は新年から、恒例の宣伝をくり広げています。

 吹き下ろすビル風が冷たい12日朝の神戸市中央区の神戸支社前。「寒いなか、ご苦労さま」と声をかける女性や、立ち止まって「今年もよろしく」とあいさつする年配の男性がいて、1時間で400枚余のニュース「人権」を配りました。

ニュースを配る「近畿センター」の人たち=1月12日午前7時半、神戸市中央区

 「憲法の風を」

 「すべての職場に憲法の風を」とよびかけた「人権」新春号。運転開始から40年を超えた高浜原発1・2号機の再稼働に向け、原子力規制委員会への対応に追われた課長の過労自殺についての職場の声を掲載しています。

 昨年3月まで同支社に勤務していた伊藤善次さん(65)は「関電が在職死亡者を公表しなくなり、昨年秋の事件発覚時は多くの人が知りませんでした。いまは『人ごとやない』という労働者が増えています」といいます。

 関電は2005年6月、サービス残業があったとする労基署の勧告を受け、労働者の54%、1万1000人に総額23億円の不払い残業代を支払ったことがあります。このときも同センターが日本共産党国会議員団と連携し、粘り強い調査と労働者の告発をもとに運動を広げてきました。

 しかし関電の関連会社では、長時間労働が放置されたままです。

 昨年暮れの全労連労働相談ホットラインに関電関連会社の労働者から電話があり、「朝6時すぎに出勤し、帰宅は午前1時か2時。いくら残業しても月20時間の固定残業代制度でそれ以上は支払われない」と訴えました。

 「主人も同じような働き方を強いられています」というのは、夫が関電の開連会社に勤める40代の女性です。

 「午前8時に出勤しても8時半に、午後10時まで仕事をしても8時と、残業時間の上限を超えないよう調整される。何年も残業代は変わらず、住宅ローンや子どもの教育費を考えると、頭が痛いですね」とこぼしました。

 電力総連の組織内議員の等身大ポスターを飾ってある関連会社にある労働組合の幹部も「過労自殺は知らなかったが、ひどい。私のところはサービス残業はやってないと思うけど」と語りました。

 営業所長などの要職を長年務め、「愛社精神はある」という80代の男性はいいます。

 「原発は反対や。40年廃炉の原則をほごにして子々孫々まで負担をつけ回し、社員をすり切れるまでこき使うとはもってのほか。国は若い人のために、原発なしのエネルギー政策に変えるべきや」

(「しんぶん」赤旗2017年1月23日より転載)