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住民無視の再稼 働断固反対・・玄海原発対策住民会議 成冨忠良事務局長(75)の話

成富忠良事務局長(75)

 福島原発事故は今も続いています。事故原因の究明、事故収束の道筋も明らかになっていません。避難生活を余儀なくされている被災者の痛みをどう考えているのでしょう。

 玄海町長は審査書の決定を前に、山口祥義佐賀県知事に「再稼働の了承をしたい」との表明をしました。町長の発言は町民・周辺自治体住民無視の発言です。町長は高レベル放射性廃棄物の最終処分場の町への誘致にも前向きとの報道も昨年にありました。また玄海町・唐津市住民の避難計画も実効性のあるものになっていません。

 「原発止めよ」の県民の声は世論調査でも50%を超えています。原発事故を再び起こしてはいけません。再稼働に断固反対します。

伊万里市は再稼働反対

九州電力玄海原発3、4号機の再稼働について、玄海町と佐賀県は容認する姿勢ですが、避難計画が必要な原発30キロ圏では同県伊万里市が再稼働に反対しています。

 伊万里焼で知られ、多くの観光客が訪れる伊万里市の塚部芳和市長は「東日本大震災以後、原発が停止して電力の供給を心配したが、支障はなかった。再稼働の必要はない。反対は市民の代弁だ」と説明します。

換気配管の腐食問題・・稼働原発の点検要求 規制委

 中国電力島根原発2号機(松江市)で中央制御室の空調換気配管(ダクト)に多数の腐食による穴などが見つかった問題で、原子力規制委員会は1月18日、運転中の九州電力川内原発1号機(鹿児島県)や四国電力伊方原発3号機(愛媛県)など審査に〝合格″し再稼働した3原発について、中央制御室や事故時の対策拠点で速やかに配管の保温材を外して、直接点検するよう電力会社に求めることを決めました。運転中も点検できるといいます。

 配管に穴が見つかった場合、10日など決められた日数以内に修復する必要があり、できなければ運転上のルールから逸脱するため、運転停止になります。

 このほか、審査に合格していない原発や青森県六ケ所村の再処理工場や茨城県の東海再処理施設、政府が廃炉を決めた高速増殖炉「もんじゅ」(福井県)についても点検を求めます。

 島根原発では昨年12月、中央制御室空調換気用の配管に巻いた保温材を取り外したところ、横1メートル、縦30センチの穴など計19個の穴が見つかっています。保温材を外した点検は1989年の運転開始以来行っていませんでした。

 原発を運転・監視する中央制御室には、運転員が24時間常駐し、通常は配管を通じて外気を取り入れ換気しています。事故時には室内の空気が放射性物質などで汚染しないよう遮断し、気密性を保つ機能が求められており、腐食による穴で気密性が保たれない恐れがあります。

 規制委事務局の原子力規制庁は、審査に合格した原発について、保温材を外した点検は義務づけられていないと説明していました。

もんじゅ廃炉で監視チーム設置

 廃炉が決まった日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県)について原子力規制委員会は1月18日、廃炉作業に伴う安全上のリスクを減らすため規則を改定することや監視チームを設置することを決めました。「もんじゅ」の廃炉は30年かかるとされ、原子力機構は核燃料の取り出しに5年半かかるとしています。

 普通の原発(軽水炉)の場合、事業者は核燃料を取り出した後に廃止措置(廃炉)計画を提出し、規制委の認可を受けて作業が進められます。しかし、「もんじゅ」は、核燃料がナトリウムの中にあり、炉心から取り出した実績が少ないなど、ナトリウム冷却型原子炉の廃炉は国内で前例がありません。

 このため規制委は、核燃料の取り出し前に廃止措置計画を認可できるよう規則を改定することにしました。また、規制委内に監視チームを設置し、廃止措置の状況について公開で議論することにしました。

 規制委の田中俊一委員長は「監視チームで積極的にリスク低減を速やかに図れるよう指導を」と述べました。

(「しんぶん」赤旗2017年1月19日より転載)