「今年こそ、原子力発電所再稼働の本格化の年(に)」-。原発推進を明確にする安倍晋三政権が5年目を迎えるもとで、原子力産業界の要求がますます度を越してきています。
原子力産業協会の今井敬会長(新日鉄住金名誉会長)は1月10日の同協会新年会で、今年策定予定の第5次エネルギー基本計画のなかに、ベースロード電源としての原発の必要性だけでなく、「新増設の必要性についてもしっかりと明記していただきたい」と求めました。
今井氏は、原発再稼働が5基にとどまっていることにいら立ちを隠しません。関西電力高浜原発の運転差し止めの仮処分決定をした大津地方裁判所について「国の決定が地方裁判所の判断によって覆されて、本当によいものでしょうか」と不快感を示しました。
今井氏は、対策には原発稼働年数の40年超への延長と、新増設が欠かせないと主張。また「原子力発電所インフラ輸出分野は日本の強み」だとし、政府に対し原発輸出のための資金面を含めた後押しを求めました。
(佐久間亮)
(「しんぶん」赤旗2017年1月18日より転載)