台湾がエネルギー政策の舵(かじ)を切りました。先週、立法院が脱原発法を可決し、2025年までに全原発の運転を停止することを明記。6基の原発は40年の運転期間を迎えれば廃止し、再生可能エネルギーの比率を現在の4%から20%に高める方針です。
面積は九州とほぼ同じ。日本のように地震が多く、1999年の地震では2400人以上が死亡する大惨事に。昨年も大きな地震によって、ビルが倒壊し多くの人が亡くなりました。
台湾では東京電力福島第1原発事故の衝撃を受け、原発に反対する社会運動が活発です。日本の原発メーカーが原子炉やタービン発電機などを受注し、「日の丸原発」ともいわれた原発2基の建設も凍結されました。
米ニューヨーク州では、運転が40年以上の原発2基を21年までに閉鎖すると州知事が発表しました。原発は市の中心部マンハッタンから約50キロ北。福島事故後に閉鎖を求める声が高まり、“大都市圏から近すぎて危険だ”と知事も訴えてきたと。片や、世論は猛反対しているのに原発の再稼働や輸出にまい進する安倍政権。口では「原発依存度を可能な限り低減する」といいながら、30年には発電電力量の20~22%を原発で賄おうというのですから。規模でいえば、原発30基台半ばにも相当します。そのために、事故の危険がより大きな老朽原発であろうと、最大20年も酷使することまで推進しています。事故から真摯(しんし)に学ぼうとしない政権は、なんとしても変えなければ。改めて思う二つのニュースです。
(「しんぶん赤旗」2017年1月21日より転載)