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蒸気発生器に傷か・・昨年再稼働の高浜3号機

 原子力規制庁は1月12日、関西電力高浜原発3号機(福井県高浜町)の重要設備である蒸気発生器に傷があることを示す信号を確認したと発表しました。3号機は昨年1月に再稼働したものの、大津地裁で運転差し止めの仮処分決定が出たため停止しています。

 蒸気発生器では原子炉で発生させた高温高圧の水の熱を利用して蒸気を作り、蒸気は発電用タービンを回して、電気を生み出す仕組みです。

 規制庁によると、12日午後1時20分ごろ、関電から高浜3号機の蒸気発生器3台のうち1台の伝熱管に傷などが存在することを示す信号が確認されたと報告がありました。放射性物質が漏れるなどの環境への影響はないといいます。

 関電は今後、原因を確認するとともに、傷があるとみられる伝熱管に栓をするとしています。

 

経産省出身の新長官が会見 原子力規制庁

 経済産業省資源エネルギー庁原子力政策課長などを経て、1月6日付で原子力規制庁長官に就任した安井正也氏(58)が12日、同庁で記者会見し、原発推進の部署にいたことについて「出身官庁は関係ないと思っていて、(それを)これからの行動で示していく」と述べました。

 東京電力福島第1原発事故の反省から、2012年9月に原子力規制委員会とその事務局である規制庁が発足して以降、原発推進の経産省出身者が長官になるのは初めて。

 

東海再処理施設廃止計画早急に 規制委

 極めて強い放射線を出す使用済み核燃料や高レベル放射性廃棄物を扱う日本原子力研究開発機構の東海再処理施設(茨城県東海村)の廃止に向けた計画について、原子力規制委員会は1月11日、同機構の児玉敏雄理事長を呼び、「廃止計画をできるだけ早急に出してもらいたい」と求めました。

 機構は2014年に廃止を決定。約30施設の廃止完了までに約70年を要し、最初の10年間で2173億円かかるという見通しを示しています。

 施設は新規制基準に基づく審査を受けていません。しかし、規制委は、使用済み核燃料の再処理の際に出る高レベル放射性廃液(施設内に約400立方メートル貯蔵)をガラスと混ぜて固化体にする作業は容認しています。

 同日、規制委は児玉理事長と面談。児玉理事長は、昨年3月に機器のトラブルで停止していたガラス固化施設を今年1月末に運転再開し、12年半で固化を終える計画などを説明。今年6月の計画提出は「難しい」との考えを示しましたが、田中俊一委員長は「(当面)10年くらいを具体的に申請してもらい、議論しながら進めたい」と述べました。

 

汚染水漏れ相次ぐ 東電福島第1

 東京電力は1月12日、福島第1原発4号機の使用済み核燃料プールの冷却設備に接続されているホースの弁付近から水が滴下しているのが見つかったと発表しました。水は、約1・5メートル×1メートルの範囲に広がりました。同プールは核燃料の取り出しが完了しています。

 一方、多核種除去設備(アルプス)の出口弁の付近でも11日夜、滴下が見つかり、約15センチ×15センチの水たまりができました。弁の部品を増し締めし、滴下は停止。滴下したのは、アルプス処理した汚染水でした。同アルプスは、運転していませんでした。

(「しんぶん」赤旗2017年1月13日より転載)