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もんじゅ廃炉 遠い道のり・・核燃料搬出 準備整わず/方針を規制委了承

 廃炉が決まった日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)について、原子力規制委員会は12月28日、5年半後に核燃料をすべて取り出すなどの廃炉工程や対応方針を文部科学省から報告を受けて了承しました。

 今後、原子力機構は来年4月までに詳細な廃止措置(廃炉)計画を策定し、原子力規制委員会の審査を受けることになります。承認されれば作業を進めますが、直近まで運転再開を目指していたこともあり、核燃料を全て搬出する設備や、放射性廃棄物となる1次冷却系ナトリウムの保管先などは整備されていません。廃炉に向けた道のりも、遠く険しいものになりそうです。

 もんじゅの原子炉容器内には現在、ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料198体と、劣化ウラン燃料(ブランケット燃料)172体の計370体がナトリウムの中で保管されています。燃料は互いに支え合う形になっており、―体ずつ抜いていくことはできません。燃料を抜いた所には模擬燃料を入れ、置き換える必要があります。

 過去に一部の燃料を交換した実績はありますが、現時点で全部取り出すのに必要な370体の模擬燃料は用意されておらず、200体しかありません。点検も必要で、すぐに搬出作業に取り掛かるのは困難です。

 冷却材のナトリウムの扱いも課題です。もんじゅには1次系など放射能を帯びたナトリウムと、放射能を帯びていない2次系などのナトリウムが760トンずつあります。いずれの系統も全量を抜き取って保管する設備や場所がありません。

 政府が進める次期高速炉開発計画では知見の獲得に向け、もんじゅのナトリウム系を活用する案も検討されました。規制委の担当者は「燃料取り出し後、施設の再利用が認められないわけではない」とする一方、「ナトリウム自体が放射性廃棄物になるので、廃棄物管理をきちんとすることが前提だ」とくぎを刺します。

 もんじゅでは原子炉以外にも、炉外燃料貯蔵槽にMOX燃料121体、ブランケット燃料39体の計160体があります。ナトリウムを洗い落とし、容器に密閉して水中保管されている使用済み燃料も2体あります。使用済みMOX燃料を再処理できる施設は国内になく、これらの保管や処分も問題になります。

(「しんぶん」赤旗2016年12月31日より転載)