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もんじゅ廃炉計画報告・・文科省が規制委勧告に回答

 廃炉が決まった高速増殖原型炉もんじゅ(福井県敦賀市)について、原子力規制委員会は12月28日の定例会合で、政府が示した廃炉工程や今後の対応などの報告を文部科学省から受けました。規制委は昨年11月、運営主体の日本原子力研究開発機構を交代させるか、廃炉などで安全上のリスクを減少させるよう文科相に勧告していました。田中俊一委員長は「誠実なお答えをいただいた」と述べ、勧告への回答として妥当と判断しました。

 会合には文科省の田中正朗研究開発局長が出席しました。松野博一文科相名の回答として、来年4月までに詳細な廃炉工程を策定することや、5年半後に核燃料をすべて取り出し、30年後に廃炉を終えるなどの計画を説明。「文科省としても廃炉が安全に行えるよう、原子力機構を指導監督していく」と述べました。

 委員からは「燃料取り出し予定は精密な検討を経たものか」「商用原発でも40年かかるのに、30年で廃炉を終えられるのか」などの質問が出ました。田中局長は「必要な工程を検討した。原子力機構には研究炉などの廃炉経験もある」と強調しました。

 田中委員長は「これまでの原子力機構の取り組みを見ていると、機構任せでは一概に信用できない。文科省の責任できちんと指導してほしい。これで終わりではなく、これからが始まりだ」と注文を付けました。

 

原子炉等規制法改定案・・2月めどに提出 原子力規制委

 原子力規制委員会は12月28日、来年の通常国会へ原子炉等規制法などの改定案の提出を目指す方針を決めました。

 規制委が改定しようとしているのは、原発等の検査制度の見直し、廃止措置でより早いい段階から廃棄物量や費用などの見通しを示すよう義務付けること、炉内構造物や高レベル放射性廃棄物の埋設地とその周辺での土地の掘削を制限する制度です。

 ほかに放射線障害防止法の改定案でテロ対策の要求の新設、放射線障害防止の技術基準に関する法律では放射線審議会に調査審議・提言機能の追加などを盛り込む方針です。

 改定案は予算関連法案のため、来年の2月ごろに閣議決定、国会への提出を目指すとしています。

 

原発事故の調書開示請求を却下 東京地裁

 東京電力福島第1原発事故の政府事故調査・検証委員会が勝俣恒久元会長ら旧経営陣を聴取した記録について、東京地裁(大竹昭彦裁判長)は12月27日、株主代表訴訟の原告側の開示申し立てを却下しました。原告側は「国の主張をうのみにした決定で残念だ」として即時抗告する方針を決めました。

 政府事故調の聴取は責任追及に利用しないことが前提だったため、記録の公開は同原発の吉田昌郎元所長(故人)のほか、同意が得られた一部にとど

まっています。株主側は、東電側11一人と原子力安全・保安院元幹部3人について開示を求めていました。

 大竹裁判長は、旧経営陣らの聴取記録について「記録が公開されれば、今後の調査で関係者の協力を得ることが著しく困難になる」と指摘。公務の遂行に支障を及ぼす恐れがあると判断したとしています。

(「しんぶん」赤旗2016年12月29日より転載)